深緑色のカエデの葉の図形に白抜き文字デ「MFJ」と書した商標が、パリ条約の同盟国であるカナダの記章である赤色のカエデの葉の図形と外観において類似しないため、第4条第1項第2号に該当しないとされた事例
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2004-8498
【審決日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【事案】
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第30類「楓糖,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ」を指定商品として、平成15年7月15日に登録出願されたものである。

【拒絶理由】
原査定は「本願商標は、パリ条約の同盟国であるカナダの記章であって、経済産業大臣が平成6年4月26日付け通商産業省告示第228号をもって指定したもの(同告示の第3号として指定したもの。)と同一又は類似のものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第2号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

審決における判断
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、原査定で引用したカナダの記章(以下「引用標章」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなるものである。
そこで、本願商標の図形部分と引用標章との類否について検討するに、両者は、ともにカエデの葉と思しき図形を表したものであるが、本願商標の図形部分は、その内部が深緑色で塗られているのに対して、引用標章は、その内部が赤色で塗られている点において相違している。
また、本願商標の図形部分は、その内部に、大きく、顕著に「MFJ」の文字を白抜きで書してなるのに対して、引用標章の内部には、文字が書されていない。
さらに、本願商標の図形部分は、その輪郭が曲線で描かれているため柔らかい印象を与えるのに対して、引用標章は、その輪郭が直線で描かれているため硬い印象を与える。
加えて、本願商標の図形部分の葉の先端と思しき部分は、その形状が不統一に描かれているのに対して、引用標章の葉の先端と思しき部分は、すべて三角形状に、統一的に描かれている。
してみれば、本願商標と引用標章とは、その外観が上記のとおり、著しく異なるものであるから、それぞれ時と所を異にして隔離的に観察しても、明確に区別し得るものというべきである。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第2号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
「SECURITY」の青色の欧文字、「セキュリティ・プラス」の灰色の片仮名とともに、朱色に白抜きした図形は「プラス」の文字を「+」記号で表したものと認識でき、パリ条約の同盟国のスイス連邦の紋章である赤色に白抜き図形の紋章とは、色彩も輪郭も明らかに異なるから、両者は類似せず、第4条第1項第2号には該当しないとされた事例 、
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2014-21799
【審決日】平成27年4月23日(2015.4.23)
【事案】
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類、第35類及び第42類に属する別掲3のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、平成25年2月8日に登録出願されたものである。

【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、その構成中に赤の色彩を施した図形中に白抜きの十字を表した図形を有してなるところ、該図形は、パリ条約の同盟国のスイス連邦の紋章であって、経済産業大臣が指定するもの(平成6年4月26日通商産業省告示第244号)(以下「スイス国紋章」という。)と外観上類似のものであるから、商標法第4条第1項第2号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

審決における判断
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
本願商標は、別掲1のとおり、「SECURITY」の青色の欧文字を横書きした文字部分の右下に「セキュリティ・プラス」の灰色の片仮名を横書きしてなり、その右に近接して朱色で彩色した背景図形に白抜き図形が配された構成からなるものであるところ、その構成中の「SECURITY」及び「セキュリティ・プラス」の文字はいずれもゴシック体の同じ書体で表されてなるものであり、かつ、「プラス」の文字を「+」記号で表示することは一般に行われていることから、本願商標の構成中、図形部分における白抜き図形は、「プラス」の文字を「+」記号により表したものとして看取されるものである。
そして、本願商標の構成中、「SECURITY」の欧文字は、「防護、警備」の意味合いを有する広く親しまれた英語であって、本願の指定商品・役務中の電子計算機用プログラム又はこれに係る商品・役務との関係においては、コンピュータを不正利用などから防護することを意味する語として、広く使用されているものである。また、「プラス」の文字及び「+」記号は、本願の指定商品及び指定役務の分野にとどまらず、各種の分野において、「加えること。足すこと。」の意味を表すものとして使用されているものであるから、本願商標は、その構成全体として「セキュリティを付加する」程度の意味合いを理解させるものである。
そうすると、本願商標は、その構成中の図形部分のみが独立して自他商品・役務の識別標識として機能するものとはいえず、図形部分は、片仮名部分の態様とあいまって「SECURITY」の文字と一体のものとして把握され、認識されるものというのが相当である。
なお、本願商標の構成中の図形部分と別掲2のとおりの構成からなるスイス国紋章を比較してみても、両者は白抜き図形を共通にするものの、本願商標中の図形部分は、上部を山形にし下部の中央をとがらせた輪郭図形を朱色で彩色してなり、他方、スイス国紋章は、上部を直線で表し下部を円弧の一部をもって描いた輪郭図形を赤色で彩色したものであって、色彩及びその輪郭は明らかに異なり、その差異が看者の印象に与える影響は大きいものといえるから、その構成態様において視覚的に十分区別し得るものである。
そうすると、本願商標は、その構成中の図形部分が単独でスイス国紋章を表したものと認識されるものではなく、欧文字部分と一体不可分のものとして理解されるというべきであるから、スイス国紋章と同一又は類似の商標に該当するものとはいえない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第2号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
カエデの葉を図案化して表したと認める得る図形部分は、カナダ国の記章と外観において類似するとされた事例
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服昭和53-2883
【事案】
本願商標は、下記に示すとおりの構成よりなり、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、つり具、楽器」等を指定商品とするものである。

【拒絶理由】
商標法4条1項2号
審決における判断
よって按ずるに、本願商標は、下記に示すとおり、図形と文字との結合よりなるものであるところ、図形と文字とが一体不可分のものとはみられないばかりでなく、図形部分も全体として一体不可分のものとして特定の称呼、観念が生ずるものとは認め難いところ、構成中のカエデの葉を図案化して表したと認める得る図形部分は、カナダ国の記章と外観において類似するばかりでなく、独立して看者の注意を惹くものとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法4条1項2号に該当する。

