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審決例(6条):商標の拒絶理由

商標「じぶん電力」の指定役務「電力の小売又は卸売」は、「電力」「電気」が無体物であり、商品として独立した商取引の対象として流通しているものということはできないから、商標法上の商品とはいえないから、これを取扱商品とする「電力の小売等役務」は、不明確な役務といわざるを得ず、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しないとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2017-12353
【審決日】平成30年6月26日(2018.6.26)
【事案】
本願商標は、「じぶん電力」の文字を標準文字により表してなり、第35類「電力の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成27年12月4日に登録出願された商願2015-119482に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同28年9月7日に登録出願されたものである。

【拒絶理由】
原査定は、「本願の指定役務『電力の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供』は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。また、前記指定役務が不明確でその内容及び範囲が把握できないことから、政令で定める商品及び役務の区分に従って第35類の役務を指定したものと認めることもできない。したがって、本願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

審決における判断

(1)商標法第6条第1項及び第2項について

ア 「小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について
指定商品及び指定役務は、商標とともに、商標権の権利範囲を定めるものであるから、その内容及び範囲は明確でなければならないところ、商標登録出願をする際に、第35類において「小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「小売等役務」という。)を指定するにあたっては、その小売等役務がどのような商品の小売又は卸売の業務において行われる便益の提供であるのかを明確に把握できるものとするために、小売等役務の対象となる「商品」を、その取扱商品として記載し、指定することが必要である。
商標法においては、「商品」とは、「商取引の目的たり得るべき物、特に動産をいう。」(「特許庁編 産業財産権法逐条解説[第20版]」)とされているところ、この「動産」とは、「土地およびその定着物(建物・立ち木など)以外の一切の有体物。」を意味し、「商品」とは、主に「有体物」(「物理的に空間の一部を占め有形的存在を有する物。」)を意味するものである。
また、「無体物」は、「音響・香気・電気・光・熱・権利・発明・創作などのように有形的存在を有しないもの。」(いずれも「広辞苑第六版」株式会社岩波書店)を意味するものであって、無体物に係る「電子情報財」については、「インターネット等の発達によりそれ自体が独立して商取引の対象となり得るようになったことを重視して商標法上の商品と扱うこととした。(略)無体物であっても商取引の対象になる場合は商品と扱う」(「平成14年改正 産業財産権法の解説」特許庁総務部総務課制度改正審議室編)とされている。
さらに、商標法における「商品」とは、商取引の目的物として流通性のあるもの、すなわち、一般市場で流通に供されることを目的として生産され又は取引される有体物であると解されるものである(東京高等裁判所 平成元年11月7日判決 平成1(行ケ)第139号参照)。

イ 本願の指定役務について 
本願の指定役務「電力の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「電力の小売等役務」という。)において、取扱商品に該当するものは「電力」であるところ、この「電力」が小売等役務における取扱商品となり得る商品であることが必要である。
そして、「電力」とは「電気によるエネルギー。」であり、「電気」は、「摩擦電気や放電・電流など、広く電気現象を起こさせる原因となるもの。電荷や電気エネルギーを指すことが多い。」(いずれも「広辞苑第六版」)を意味するものであって、その意味からして、「電力」と「電気」は、ほぼ同義にとらえられるものであり、両者は、無体物である。
そうすると、これらが商標法上の商品といえるためには、一般市場で流通に供されることを目的として生産され又は取引され、独立した商取引の対象となりえているかを検討する必要がある。
ところで、「電力(電気)」に係る事業については、電気事業法がその規制を行っているところ、平成28年4月1日以降は、同法において「電力の小売」が全面自由化された。ここで、電力の小売については、「小売供給 一般の需要に応じ電気を供給することをいう。」(同法第2条第1項第1号)、「小売電気事業 小売供給を行う事業(一般送配電事業、特定送配電事業及び発電事業に該当する部分を除く。)をいう。」(同第2号)と定められており、小売電気事業者(同第3号)が、その事業を行うものである。
そして、小売電気事業者は、電力の小売部門を担うところ、「小売部門とは/消費者(各ご家庭を含む)と直接やり取りをし、料金メニューの設定や、契約手続などのサービスを行います。また、消費者が必要とするだけの電力を発電部門から調達するのも、この部門の役割です。」(甲4)と記載されていることから、小売電気事業者は、自ら発電した電力や発電事業者が発電した電力について、様々な料金設定を行い、法人や個人等の消費者と契約を締結し、その需要に応じた電気を一般送配電事業者に対して送電するよう依頼し、一般送配電事業者の送電線を介して送電することで、需要者の電力使用を可能とする電気の供給を業として行っているものと解することができる。
そうすると、「電力(電気)」は、一般市場においてそれ自体が独立して市場において譲渡、引き渡しされることを目的として生産され又は取引されているものというよりも、消費者の需要に応じた量の電気を、需要者の元に送電する(供給する)という役務において取り扱われているものというべきであって、それ自体が商品として独立した商取引の対象として流通しているものということはできないから、商標法上の商品とはいえないというのが相当である。

ウ 小括
以上のとおり、「電力(電気)」は、商標法上の商品とはいえず、小売等役務における取扱商品とはなり得ないものであるから、これを取扱商品とする「電力の小売等役務」は、不明確な役務といわざるを得ないものである。
してみれば、本願は、商標の使用をする一又は二以上の商品又は役務を適切に指定したものとはいえず、また、その内容及び範囲を把握できないことから、政令で定める商品及び役務の区分に従って第35類の役務を指定したものと認めることもできない
したがって、本願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しない。 

(2)請求人の主張について

請求人は、「商品先物取引法において、無体物である『電力』が『商品』として定義されたこと、また、電気事業法第97条第1項において、卸電力取引所について規定されており、現在、その取引所として一般社団法人日本卸電力取引所が指定されていることを挙げ、『電気』が『商品』として解釈されている。」旨を主張している。
確かに、商品先物取引法は、「電力(一定の期間における一定の電力を単位とする取引の対象となる電力に限る。)」を「商品」として定めており(同法第2条第1項第4号)、また、一般社団法人日本卸電力取引所においては、スポット市場や時間前取引市場が開設されている(甲2)ところではある。
しかしながら、これらは、商品先物取引市場や卸電力取引市場に限られた実情であって、電力(電気)が、これらの市場以外の一般市場において、独立した商取引の対象として、取引者、需要者間に広く流通している実情にあるということはいえないから、上記実情をもって直ちに電力(電気)が、商標法上の「商品」として解釈できるものであるということはできない
また、請求人は、「今日の取引社会の実情として、電気自動車の電気充電等も実質電力の小売事業に該当すること、又は再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が買い取る制度が存在することをあげて、電気が商品として流通、取引されている。」旨を主張している。
しかしながら、電気自動車の電気充電については、第39類の電気自動車に対する電気の供給に該当する役務と解せられ、また、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が買い取る制度についても、発電した電力を電力会社に対し送電し、電力を供給するという役務を行っているものと解せられるから、これらの事情をもって、電力それ自体が独立した商取引の対象として流通している商品であるということはできない。
加えて、請求人は、「『標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関するニース協定』(以下『ニース協定』という。)のアルファベット順一覧表に、『電気エネルギー』(electrical energy)が表示として存在しており、諸外国及び機関において『電気の小売』が第35類において採択されている例をあげ、本願の指定役務『電力の小売等役務』も採択されるべきである。」旨を主張している。
しかしながら、我が国においては、上記(1)のとおり、「電力(電気)」が、独立した取引の対象たる商品として流通、取引されている実情にあるとはいい難く、また、そもそも「ニース協定」は、標章の保護の範囲の評価及びサービス・マークの承認について同盟国の取扱いを拘束するものではないし(ニース協定第2条第1項)、各国の取扱いが、ある商品及び役務について商標の登録を認めるか否かについての我が国の商標法上の解釈に、直接影響を及ぼすようなものではない。
よって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願は、商標法第6条第1項及び第2項の要件を具備しないものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

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本願商標「千鳥屋」の類似商標として、引用商標「千鳥屋」の指定役務が第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であることから第4条第1項第11号の拒絶理由が通知され、手続補正により本願指定商品を第30類「特定の需要者の依頼に応じてのみ製造され提供される受注生産の上生菓子(飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除く。)」としたことが、第6条第1項の要件を具備せず第4条第1項第11号に該当するとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2021-4702
【審決日】平成30年6月26日(2018.6.26)
【事案】
本願商標は、「千鳥屋」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成28年4月7日に登録出願された商願2019-88759に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、令和2年2月26日に登録出願されたものである。
原審では、令和2年3月18日付けで拒絶理由の通知、同年5月7日受付で意見書及び手続補正書の提出、同3年1月7日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同年4月12日付けで本件拒絶査定不服審判が請求、同日受付及び同年10月25日受付で手続補正書が提出された。
本願の指定商品は、原審及び当審における上記の手続補正書により、別掲1のとおりの商品に補正された。

別掲1(本願の指定商品)
第30類「特定の需要者の依頼に応じてのみ製造され提供される受注生産の上生菓子(飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除く。)」


【拒絶理由】
原査定において、本願商標商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5820605号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなるものであり、平成26年10月27日登録出願、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同28年1月22日に設定登録されたものである。

引用商標

審決における判断

3 当審における審尋

(1)拒絶理由通知(商標法第6条第1項)

本願について拒絶の理由を発見したため、商標法第55条の2第1項で準用する同法第15条の2に基づきその理由を通知した。
すなわち、指定商品は、商標とともに権利範囲を定めるものだから、その内容及び範囲は明確でなければならないところ、本願の指定商品「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に含まれることもなく一般的な流通に供することもなく不特定の一般需要者に提供されることもなく特定の需要者の依頼に応じてのみ製造され提供される上生菓子(飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除く。)」は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。
したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。

(2)証拠調べ通知(商標法第4条第1項第11号関連)

本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲3の事例を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき通知した。

4 請求人の回答

(1)拒絶理由通知について

本願の指定商品を、別掲1のとおりの商品に補正した。

別掲1(本願の指定商品)
第30類「特定の需要者の依頼に応じてのみ製造され提供される受注生産の上生菓子(飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除く。)」

(2)証拠調べ通知について
本願の補正後の指定商品は、飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除いているため、別掲3の事例は、本願の指定商品とは非類似の取扱商品に関するものにすぎない。
したがって、本願商標は、引用商標とは類似の商標であるとしても、その指定商品及び指定役務は類似しないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

5 当審の判断

(1)商標法第6条第1項
本願の指定商品は、別掲1のとおり、「特定の需要者の依頼に応じてのみ製造され提供される受注生産の上生菓子(飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除く。)」である。
しかしながら、上記商品は、前段の「特定の需要者の依頼に応じてのみ製造され提供される受注生産の上生菓子」から、後段の「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除く。」の表示により一定範囲の商品を除外しているところ、前段の表記から商品の種別(生菓子の一種)が把握できるとしても、後段の表記により除外する範囲は、飲食料品の小売等役務の取扱商品に係る「類似」の範囲の解釈に依存する(解釈次第では対象商品が消失する。)から、具体的にどのような生菓子を特定しているのか明確ではなく、客観的に商品の内容及び範囲が把握できない
したがって、本願の指定商品は、商標の使用をする一又は二以上の商品を客観的な表示によって特定し、指定しているものとは認められず、商標法第6条第1項の要件を具備しない

(2)商標法第4条第1項第11号

ア 本願商標と引用商標の類似
(ア)本願商標は、「千鳥屋」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は「千鳥」(チドリ目チドリ科の鳥の総称。たくさんの鳥。)の文字と「屋」(商業などを営んでいる家の屋号として用いる)の文字(参照:「大辞泉 第2版」小学館)を、間隔なく、横一列に、まとまりのよい構成で表してなるもので、全体として「千鳥屋」なる屋号を表してなるとの印象を与えるが、特定の意味を有する成語となるものではない。
そうすると、本願商標は、「チドリヤ」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
(イ)引用商標は、「千鳥屋」の文字を縦書きしてなるところ、その構成文字を共通にする本願商標と同様に、全体として「千鳥屋」なる屋号を表してなるとの印象を与えるが、特定の意味を有する成語となるものではない。
そうすると、引用商標は、「チドリヤ」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
(ウ)本願商標と引用商標を比較すると、外観については、構成文字の表示態様(横書きと縦書き)の差異はあるものの、構成文字(千鳥屋)を全て共通にするから、極めて近似した印象を与えるもので、また、称呼については、称呼(チドリヤ)を全て共通にするから、非常に相紛らわしく、さらに、観念については、いずれも特定の観念が生じないものの、特定の屋号(千鳥屋)を表してなるとの印象において共通する。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念が与える印象、記憶等を総合して全体的に考察すると、これを同一又は類似の商品又は役務について使用するときは、その商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがあるから、類似する商標というべきである。

イ 本願の指定商品と引用商標の指定役務の類似
(ア)本願の指定商品は、別掲1のとおり、「特定の需要者の依頼に応じてのみ製造され提供される受注生産の上生菓子(飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除く。)」であるところ、その内容及び範囲が客観的に把握できないが、仮に対象商品が存在するとすれば、「生菓子」の一種であるといえる。
そして、「生菓子」は、「水分の多い、主として餡類を用いた菓子。餅菓子・饅頭・羊羹など。」(参照:「広辞苑 第7版」岩波書店)であって、和生菓子製造業者によって生産され、和菓子小売業者を含む飲食料品小売業者によって店舗や通信販売等を通じて販売されるもので、一般消費者を需要者とするものである。
(イ)引用商標の指定役務である「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、飲食料品(生菓子を含む。)を取扱商品とする小売等サービスであって、和菓子小売業者を含む飲食料品小売業者によって店舗や通信販売等を通じて提供されるもので、一般消費者を需要者とするものである。
(ウ)本願の指定商品と引用商標の指定役務を比較すると、取扱商品(飲食料品である生菓子)、販売・提供事業者(和菓子小売業者)、商品の販売場所や役務の提供場所(店舗や通信販売)、需要者(一般消費者)を共通にするものである。
また、別掲3のとおり、同一の事業者が、「上生菓子」を製造・販売すると同時に、菓子を含む飲食料品の小売販売をすることも一般的であって、いわゆる製造小売の業態で、同一の事業者(和生菓子製造業者、かつ、和菓子小売業者)による商品の製造及び販売並びに小売等役務の提供がされている実情がある。
そうすると、本願の指定商品は、引用商標の指定役務とは、取扱商品、販売・提供事業者、流通経路、需要者の共通性、さらには製造小売に係る取引の実情を踏まえると、同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主に係る商品又は役務と誤認されるおそれがあるから、互いに類似するというべきである。

ウ 請求人の主張
(ア)請求人は、茶席菓子の注文は、見積りの日から2~3週間から1~2か月の余裕をもって、菓子製造業者が直接注文を受け、商品を納品しているのであって、このような注文方法や納品方法は、引用商標の指定役務を提供する業者は行っていないのが実情であること、また、本願の指定商品と引用商標の指定役務は、商品の製造・販売と役務の提供がそれぞれ異なる事業者により行われ、商品と役務の用途、商品の販売場所と役務の提供場所、需要者の範囲がそれぞれ一致しておらず、全体として非類似である旨を主張する。
しかしながら、上記イ(ウ)のとおり、同一の事業者が、「上生菓子」を製造・販売すると同時に、菓子を含む飲食料品の小売販売をすることも一般的であって、製造小売の業態で、同一の事業者による商品の製造及び販売並びに小売等役務が提供されている実情がある。
また、本願の指定商品と引用商標の指定役務は、上記イ(ウ)のとおり、取扱商品(飲食料品である生菓子)、販売・提供事業者(和菓子小売業者)、商品の販売場所や役務の提供場所(店舗や通信販売)及び需要者(一般消費者)を共通にする。
そうすると、本願の指定商品は、引用商標の指定役務とは、同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主に係る商品又は役務と誤認されるおそれがあるから、互いに類似するというべきである。
(イ)請求人は、本願の指定商品は、食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除いているため、別掲3の事例は、本願の指定商品とは非類似の取扱商品に関する事例を例示するにすぎない旨を主張する。
しかしながら、本願の指定商品は、客観的に商品の内容及び範囲が把握できないが、「生菓子」の一種であるとはいえるところ、別掲3の事例は、「生菓子」の一種の商品に係る取引の実情を示すものであるから、本願の指定商品(生菓子の一種)に係る取引の実情として考慮することに特段の問題はない。

エ 以上のとおり、本願商標は、引用商標とは、同一又は類似する商標であって、かつ、その指定商品は引用商標の指定役務と類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)結論

以上を踏まえると、本願の指定商品は、商標法第6条第1項の要件を具備せず、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。

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サプリメントについて「加工野菜及び加工果実・加工水産物を主成分として成る粒状・粉状・丸剤状・カプセル状の加工食品」と補正し、拒絶理由を解消した事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2002-24930
【事案】
本願商標は、「アミノサプリ」の片仮名文字を横書きしてなり、第29類「加工野菜及び加工果実、加工水産物、動物エキス、植物エキスを主成分として成る粒状、粉状、丸剤状、カプセル状 、液状の健康補助作用を有する加工食品」を指定商品として、平成14年1月25日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、同16年1月9日付け手続補正書により補正され、さらに、同16年1月20日付け手続き補正書により「加工野菜及び加工果実・加工水産物を主成分として成る粒状・粉状・丸剤状・カプセル状の加工食品」と補正されたものである。

【拒絶査定の理由】
原査定は、「(1)本願商標は、登録第4613564号商標及び登録第4601878号商標(これらの登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。(2)指定商品は、商標とともに権利範囲を定めるものであるから、その内容及び範囲は明確でなければならないところ、この商標登録出願に係る指定商品『加工野菜及び加工果実、加工水産物、動物エキス、植物エキスを主成分として成る粒状、粉状、丸剤状、カプセル状 、液状の健康補助作用を有する加工食品』は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。また、前記指定商品が不明確でその内容及び範囲が把握できないことから、政令で定める商品及び役務の区分に従って商品を指定したものと認めることもできない。したがって、この商標登録出願は、商標法第6条第1項及び同第2項の要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

審決における判断

本願商標は、その指定商品について前記1のとおり補正された結果、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品は、すべて削除されたと認められるものであるから、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と類似しない商品となったものであり、また、指定商品の表示についても、その内容及び範囲が明確になったものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであり、かつ、同法第6条第1項及び同第2項の要件を具備しないとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。

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