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商標登録ドットコム > 商標の拒絶理由(登録できない商標) > 8条(審決例)

願書に「色彩のみからなる商標」と記載され、商標登録を受けようとする商標の欄には、点線のカード形状の中に、緑色で塗られた角を丸くした台形の形状が表されている本願商標は、一定の形状を備えた図形と色彩が結合したものといえ、商標の詳細な説明の記載を考慮しても、図形の要素を持つ商標といえるから、商標法第3条第1項柱書に規定する「自己の業務に係る商品又は役務について使用する商標」が記載されていないとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2018-3929
【審決日】令和2年4月9日(2020.4.9)
【事案】
本願商標は、別掲(1)の商標登録を受けようとする商標及び願書記載のとおりの商標の詳細な説明からなり、第36類「ICカード利用者に代わってする支払代金の清算,前払い式証票の発行」及び第39類「鉄道による輸送」を指定役務として、平成27年4月14日に登録出願されたものである。
そして、願書には、「色彩のみからなる商標」と記載され、商標の詳細な説明については、原審における平成28年8月9日受付の手続補正書及び当審における同30年6月13日受付の手続補正書により、最終的に別掲(2)のとおり補正されたものである。

本願商標

別掲(2)商標の詳細な説明
商標登録を受けようとする商標(以下「商標」という。)は、色彩のみからなるものであり、ICカード券面形状の約3ミリメートル内側の部分における左側約50%を緑色(DIC91)とする構成からなり、ICカードの形状が変化した場合は、その変化に即して変化する。なお、ICカードの破線は、役務の提供の用に供する物の形状の一例を示したものであり、商標を構成する要素ではない。

【拒絶理由】
原査定は、「本願商標の緑色の色彩は、ICカードの形状(輪郭)の数ミリメートル内側に付されており、ICカードの形状(輪郭)に全く接していない上に、緑色の色彩が付された部分の形状(輪郭)は、4つの頂点が丸みを帯びた特徴的な台形図形を認識させるものであるから、色彩を付する位置を特定するのに必要最低限の方法で表示されているものということはできない。また、ICカードの形状は規格化されており、その形状が変化することはないこと、仮にICカードの形状が将来的に変化したとしても、その形状の変化に即して、そこに付した色彩部分も変化することが、願書の商標記載欄の記載及び商標の詳細な説明からは把握することができないことも考慮すると、本願商標を、色彩のみからなる商標と認めることはできない。さらに、商標の詳細な説明の記載は、図形を認識させる記載を含んでおり、ICカードは、この商標登録出願に係る指定役務との関係からすると『役務の提供の用に供する物』に該当するので、当該記載は、商標登録を受けようとする商標を特定するものと認めることができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備せず、また、本願は同法第5条第5項の要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

審決における判断

(1)「色彩のみからなる商標」について

商標法第5条第2項第3号にいう「色彩のみからなる商標」は、人の知覚によって認識することができるもののうち、色彩からなるものであり、平成26年の特許法等の一部改正(平成26年法律第36号)により、商標法の保護対象に追加されたものである。
上記法改正の立法の経緯をみると、基本的論点が検討された産業構造審議会知的財産分科会の報告書において、「現行制度の保護対象」について、「現行商標法第2条第1項に掲げられた各標章は、いずれも一定の形状を備え、かつ、視覚で認識できるものであるから、形状を備えていない『輪郭のない色彩』や、視覚を認識できない『音』、『におい』等は、現行商標法における『標章』には該当せず、同法の保護を受けることができない。」とした上で、国際的な趨勢や我が国における保護のニーズの高まりを受け、「現行制度において商標登録されない商標の類型」である「『輪郭のない色彩』の商標」を新たに保護対象とすべきとされ、同報告書においては、「『輪郭のない色彩』の商標は、図形等と色彩が結合したものではなく、色彩のみからなる商標である。『輪郭のない色彩』の商標は、複数の色彩を組み合わせたものと、単一の色彩によるものがある。」と記載されている(「新しいタイプの商標の保護等のための商標制度の在り方について」平成25年9月産業構造審議会知的財産分科会)。
そして、上記報告書の趣旨を踏まえ、従来、商標法の保護対象に含まれていなかった色彩のみの商標を新たに商標法の保護対象として追加する法改正が行われた(「工業所有権法(産業財産権法)逐条改正解説(第20版)」特許庁編、「平成26年法律改正(平成26年法律第36号)解説書 第4章 商標法の保護対象の拡充等」特許庁ホームページ(https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/kaisetu/h26/document/tokkyo_kaisei26_36/04syou.pdf)。
以上の立法の経緯からすれば、「色彩のみからなる商標」とは、上記法改正前から商標法の保護対象に含まれていた一定の形状を備えた図形等と色彩が結合したものではない
このような「色彩のみからなる商標」について商標登録を受けようとする際には、願書に、「色彩のみからなる商標」である旨(商標法第5条第2項第3号)及び商標の詳細な説明を記載しなければならず(同条第4項)、位置を特定した色彩のみからなる商標である場合は、商標登録を受けようとする商標を記載する欄(以下「商標記載欄」という。)に「商標登録を受けようとする色彩を当該色彩のみで描き、その他の部分を破線で描く等により当該色彩及びそれを付する位置が特定されるように表示した一又は異なる二以上の図又は写真」を記載しなければならない(商標法施行規則第4条の4第2号)。

(2)本願商標の願書の記載について

本件商標登録出願についての願書には、「色彩のみからなる商標」と記載され、商標の詳細な説明として、「商標登録を受けようとする商標(以下「商標」という。)は、色彩のみからなるものであり、ICカード券面形状の約3ミリメートル内側の部分における左側約50%を緑色(DIC91)とする構成からなり、ICカードの形状が変化した場合は、その変化に即して変化する。なお、ICカードの破線は、役務の提供の用に供する物の形状の一例を示したものであり、商標を構成する要素ではない。」と記載されている。
しかしながら、本願の商標記載欄に記載されている商標登録を受けようとする商標とされる部分(以下「色彩部分」という。)は、緑色で塗られた角を丸くした台形の形状として表されており、これよりは一定の形状を備えた図形と認識され得る態様といえるものである。
そうすると、色彩部分は、角を丸くした台形の形状の図形と緑色の色彩が結合した結合商標と認識されるものであり、一定の形状を備えた図形と色彩が結合したものというべきである。
また、本願の商標の詳細な説明の記載を考慮しても、台形の形状からなる色彩部分の右辺の傾斜部分は、ICカード券面形状の変化に即した変化が想定できないものであって、カードの形状(輪郭)が変化した場合は、その変化に即して色彩部分も変化すると解することはできず、結局、色彩部分は、図形としての要素を有するものといわざるを得ないものであるから、本願商標は、「色彩のみからなる商標」ということはできない
してみれば、本願は「色彩のみからなる商標」についての商標登録出願であるにもかかわらず、願書の商標記載欄には「色彩のみからなる商標」が記載されていないものであり、商標法第3条第1項柱書に規定する「自己の業務に係る商品又は役務について使用する商標」が記載されていないといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しない。

(3)請求人の主張について

(中略)

(4)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものであるから、その他の拒絶の理由について検討するまでもなく、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

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本願商標「千鳥屋」の類似商標として、引用商標「千鳥屋」の指定役務が第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であることから第4条第1項第11号の拒絶理由が通知され、手続補正により本願指定商品を第30類「特定の需要者の依頼に応じてのみ製造され提供される受注生産の上生菓子(飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除く。)」としたことが、第6条第1項の要件を具備せず第4条第1項第11号に該当するとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2021-4702
【審決日】平成30年6月26日(2018.6.26)
【事案】
本願商標は、「千鳥屋」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成28年4月7日に登録出願された商願2019-88759に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、令和2年2月26日に登録出願されたものである。
原審では、令和2年3月18日付けで拒絶理由の通知、同年5月7日受付で意見書及び手続補正書の提出、同3年1月7日付けで拒絶査定されたもので、これに対して同年4月12日付けで本件拒絶査定不服審判が請求、同日受付及び同年10月25日受付で手続補正書が提出された。
本願の指定商品は、原審及び当審における上記の手続補正書により、別掲1のとおりの商品に補正された。

別掲1(本願の指定商品)
第30類「特定の需要者の依頼に応じてのみ製造され提供される受注生産の上生菓子(飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除く。)」


【拒絶理由】
原査定において、本願商標商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5820605号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなるものであり、平成26年10月27日登録出願、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同28年1月22日に設定登録されたものである。

引用商標

審決における判断

3 当審における審尋

(1)拒絶理由通知(商標法第6条第1項)

本願について拒絶の理由を発見したため、商標法第55条の2第1項で準用する同法第15条の2に基づきその理由を通知した。
すなわち、指定商品は、商標とともに権利範囲を定めるものだから、その内容及び範囲は明確でなければならないところ、本願の指定商品「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に含まれることもなく一般的な流通に供することもなく不特定の一般需要者に提供されることもなく特定の需要者の依頼に応じてのみ製造され提供される上生菓子(飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除く。)」は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。
したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。

(2)証拠調べ通知(商標法第4条第1項第11号関連)

本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲3の事例を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条の規定に基づき通知した。

4 請求人の回答

(1)拒絶理由通知について

本願の指定商品を、別掲1のとおりの商品に補正した。

別掲1(本願の指定商品)
第30類「特定の需要者の依頼に応じてのみ製造され提供される受注生産の上生菓子(飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除く。)」

(2)証拠調べ通知について
本願の補正後の指定商品は、飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除いているため、別掲3の事例は、本願の指定商品とは非類似の取扱商品に関するものにすぎない。
したがって、本願商標は、引用商標とは類似の商標であるとしても、その指定商品及び指定役務は類似しないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

5 当審の判断

(1)商標法第6条第1項
本願の指定商品は、別掲1のとおり、「特定の需要者の依頼に応じてのみ製造され提供される受注生産の上生菓子(飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除く。)」である。
しかしながら、上記商品は、前段の「特定の需要者の依頼に応じてのみ製造され提供される受注生産の上生菓子」から、後段の「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除く。」の表示により一定範囲の商品を除外しているところ、前段の表記から商品の種別(生菓子の一種)が把握できるとしても、後段の表記により除外する範囲は、飲食料品の小売等役務の取扱商品に係る「類似」の範囲の解釈に依存する(解釈次第では対象商品が消失する。)から、具体的にどのような生菓子を特定しているのか明確ではなく、客観的に商品の内容及び範囲が把握できない
したがって、本願の指定商品は、商標の使用をする一又は二以上の商品を客観的な表示によって特定し、指定しているものとは認められず、商標法第6条第1項の要件を具備しない

(2)商標法第4条第1項第11号

ア 本願商標と引用商標の類似
(ア)本願商標は、「千鳥屋」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は「千鳥」(チドリ目チドリ科の鳥の総称。たくさんの鳥。)の文字と「屋」(商業などを営んでいる家の屋号として用いる)の文字(参照:「大辞泉 第2版」小学館)を、間隔なく、横一列に、まとまりのよい構成で表してなるもので、全体として「千鳥屋」なる屋号を表してなるとの印象を与えるが、特定の意味を有する成語となるものではない。
そうすると、本願商標は、「チドリヤ」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
(イ)引用商標は、「千鳥屋」の文字を縦書きしてなるところ、その構成文字を共通にする本願商標と同様に、全体として「千鳥屋」なる屋号を表してなるとの印象を与えるが、特定の意味を有する成語となるものではない。
そうすると、引用商標は、「チドリヤ」の称呼を生じるが、特定の観念は生じない。
(ウ)本願商標と引用商標を比較すると、外観については、構成文字の表示態様(横書きと縦書き)の差異はあるものの、構成文字(千鳥屋)を全て共通にするから、極めて近似した印象を与えるもので、また、称呼については、称呼(チドリヤ)を全て共通にするから、非常に相紛らわしく、さらに、観念については、いずれも特定の観念が生じないものの、特定の屋号(千鳥屋)を表してなるとの印象において共通する。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念が与える印象、記憶等を総合して全体的に考察すると、これを同一又は類似の商品又は役務について使用するときは、その商品又は役務の出所について混同を生ずるおそれがあるから、類似する商標というべきである。

イ 本願の指定商品と引用商標の指定役務の類似
(ア)本願の指定商品は、別掲1のとおり、「特定の需要者の依頼に応じてのみ製造され提供される受注生産の上生菓子(飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除く。)」であるところ、その内容及び範囲が客観的に把握できないが、仮に対象商品が存在するとすれば、「生菓子」の一種であるといえる。
そして、「生菓子」は、「水分の多い、主として餡類を用いた菓子。餅菓子・饅頭・羊羹など。」(参照:「広辞苑 第7版」岩波書店)であって、和生菓子製造業者によって生産され、和菓子小売業者を含む飲食料品小売業者によって店舗や通信販売等を通じて販売されるもので、一般消費者を需要者とするものである。
(イ)引用商標の指定役務である「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、飲食料品(生菓子を含む。)を取扱商品とする小売等サービスであって、和菓子小売業者を含む飲食料品小売業者によって店舗や通信販売等を通じて提供されるもので、一般消費者を需要者とするものである。
(ウ)本願の指定商品と引用商標の指定役務を比較すると、取扱商品(飲食料品である生菓子)、販売・提供事業者(和菓子小売業者)、商品の販売場所や役務の提供場所(店舗や通信販売)、需要者(一般消費者)を共通にするものである。
また、別掲3のとおり、同一の事業者が、「上生菓子」を製造・販売すると同時に、菓子を含む飲食料品の小売販売をすることも一般的であって、いわゆる製造小売の業態で、同一の事業者(和生菓子製造業者、かつ、和菓子小売業者)による商品の製造及び販売並びに小売等役務の提供がされている実情がある。
そうすると、本願の指定商品は、引用商標の指定役務とは、取扱商品、販売・提供事業者、流通経路、需要者の共通性、さらには製造小売に係る取引の実情を踏まえると、同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主に係る商品又は役務と誤認されるおそれがあるから、互いに類似するというべきである。

ウ 請求人の主張
(ア)請求人は、茶席菓子の注文は、見積りの日から2~3週間から1~2か月の余裕をもって、菓子製造業者が直接注文を受け、商品を納品しているのであって、このような注文方法や納品方法は、引用商標の指定役務を提供する業者は行っていないのが実情であること、また、本願の指定商品と引用商標の指定役務は、商品の製造・販売と役務の提供がそれぞれ異なる事業者により行われ、商品と役務の用途、商品の販売場所と役務の提供場所、需要者の範囲がそれぞれ一致しておらず、全体として非類似である旨を主張する。
しかしながら、上記イ(ウ)のとおり、同一の事業者が、「上生菓子」を製造・販売すると同時に、菓子を含む飲食料品の小売販売をすることも一般的であって、製造小売の業態で、同一の事業者による商品の製造及び販売並びに小売等役務が提供されている実情がある。
また、本願の指定商品と引用商標の指定役務は、上記イ(ウ)のとおり、取扱商品(飲食料品である生菓子)、販売・提供事業者(和菓子小売業者)、商品の販売場所や役務の提供場所(店舗や通信販売)及び需要者(一般消費者)を共通にする。
そうすると、本願の指定商品は、引用商標の指定役務とは、同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主に係る商品又は役務と誤認されるおそれがあるから、互いに類似するというべきである。
(イ)請求人は、本願の指定商品は、食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供の取扱商品に類似するものを除いているため、別掲3の事例は、本願の指定商品とは非類似の取扱商品に関する事例を例示するにすぎない旨を主張する。
しかしながら、本願の指定商品は、客観的に商品の内容及び範囲が把握できないが、「生菓子」の一種であるとはいえるところ、別掲3の事例は、「生菓子」の一種の商品に係る取引の実情を示すものであるから、本願の指定商品(生菓子の一種)に係る取引の実情として考慮することに特段の問題はない。

エ 以上のとおり、本願商標は、引用商標とは、同一又は類似する商標であって、かつ、その指定商品は引用商標の指定役務と類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)結論

以上を踏まえると、本願の指定商品は、商標法第6条第1項の要件を具備せず、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。

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「SUMMIT」「サミット」の文字を二段に書した引用商標、「サミット」の文字からなる引用商標と同日に出願され、「SUMMIT」「INTERNATIONAL HOTELS」の文字からなる本願商標は、国際ホテルの意味を有する文字を除いた「SUMMIT」部分の識別力があり類似商標であるところ、くじにより定めた引用商標の出願人と譲渡等の交渉を行うとしたが協議の進展がないとして、第8条第5項による拒絶査定を維持された事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2001-14431
【審決日】平成16年10月25日(2004.10.25)
【事案】
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ」を指定役務として、平成4年6月18日に登録出願されたものである。
本願商標
 
2 同日出願に係る他人の商標
(1)登録第4433273号商標は、「SUMMIT」及び「サミット」の文字を二段に書してなり、平成4年8月14日に登録出願、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,オフセット印刷,求人情報の提供,産業廃棄物の収集及び処分,庭園又は花壇の手入れ,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,地質の調査,デザインの考案,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,施設の警備,老人の養護,編み機の貸与,衣服の貸与,植木の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,自動販売機の貸与,超音波診断装置の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,ルームクーラーの貸与」を指定役務として、同12年11月17日に設定登録されたものである。
(2)登録第4433274号商標は、「サミット」の文字を書してなり、平成4年9月25日に登録出願、第42類「宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,写真の撮影,通訳,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」を指定役務として、同12年11月17日に設定登録されたものである(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)。

【拒絶理由】
原査定は、「本願の出願人は、特許庁長官が行ったくじにより定めた一の出願人とは認められない。したがって、本願は、商標法第8条第5項の要件を具備しない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

審決における判断

本願商標は、別掲のとおり「SUMMIT」の文字(「M」と「M」の文字は、接触するように表されている。)を大きく書し、その下段に「INTERNATIONAL HOTELS」の文字を小さく書してなるところ、「INTERNATIONAL HOTELS」の文字部分は、本願指定役務との関係においては、「国際的なホテル」であることを意味する語としてホテルの名称中に普通に使用されている文字であるから、本願商標にあって自他役務の識別標識としての機能を果たす部分は、「SUMMIT」の文字部分にあるというのが相当である。
そうすると、本願商標からは、該「SUMMIT」の文字部分に相応して、単に「サミット」の称呼及び「頂上、首脳会談」の観念をも生ずるものと認められる。
他方、引用商標からは、「サミット」の称呼及び「頂上、首脳会談」の観念を生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標は、「サミット」の称呼及び「頂上、首脳会談」の観念を共通にする類似の商標と認められ、かつ、その指定役務も同一又は類似のものである。
また、商標法の一部を改正する法律(平成3年法律第65号)附則第4条第3項の規定により、本願商標と引用商標とは同日に出願したものとみなされ、そして、同法第8条第5項の規定により実施されたくじにより定めた一の出願人に係る商標登録出願(引用商標)が、上記2のとおり設定登録されていることは、商標登録原簿の記載から明らかである。
したがって、本願が商標法第8条第5項の要件を具備しないとした原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、本願の名義変更前の請求人(出願人)であったリード テレパブリシング リミテッドは、平成13年11月19日付け手続補正書(方式)において、引用商標の商標権者と譲渡等の交渉を行うとして審理の猶予を申し出ているが、その後、相当の期間を経過するも何ら進展がみられなかったものであり、さらに、本願の名義が請求人(出願人)に変更されても、未だ何らの手続もなされていないから、これ以上本件の審理を猶予する理由はないものと判断し、審理を進めることとした。
よって、結論のとおり審決する。

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