商標の使用意思の確認の運用改正-2007年04月16日
商標の使用又は商標の使用の意思を確認するための審査に関する運用が改正されました。 同じ区分に含まれる指定商品・指定役務は、1つの出願でいくつでも指定できるわけですが、あまりに多岐にわたって指定する場合には、不使用商標も増大するおそれがあるため、必要な商品・役務について適切な登録をするようにするためです。 特許庁での審査において、願書に記載された指定商品又は指定役務について、商標の使用又は商標の使用の意思があることに「合理的な疑義がある場合」には、商標法第3条第1項柱書が適用され、拒絶理由となります。 もちろん、指定商品・指定役務が多岐にわたっても、使用しているか、使用する計画がある場合には、そ...
「アカデミー賞(R)」はおかしいか?-2007年04月15日
アカデミー賞(R)って…そこまでやるか、商標権!(イザ!)との記事がありました。 広告やPR記事の文章中などでの表記について、 「『アカデミー賞』という言葉が登録商標であると強調したいのでしょうが… はっきり言って、強い違和感を覚えました。 アカデミー賞は、誰もが知っている権威ある賞であり、 商標登録だと強調する必要性は感じられません。」 といった感想を述べている内容です。 ところで、「Walkman」といえば、SONYの商標であることは周知の事実です。 ところが、オーストラリアでは、これは普通に使われる一般名称であるという判決が出されてしまったことが以前にありました。 辞書で特定の出所を示す...
流行りはじめている名称-2007年04月09日
新市場に名前が付いた時点で、市場参入は既に手遅れという話を読みました(ITmediaBlog「永井孝尚のMM21」)。著者は企業でブランド・マーケティングの仕事などをされています。 この中で、「市場の名前が定まっていない段階は、市場がこれから立ち上がろうとしている段階であり、新規参入のチャンス」とされています。 逆に「逆にその市場の名前が決まっている時点では、その市場は既にある程度の大きさになっており」、「既に同じ市場でリーダーの地位を確立している経験豊富なライバル企業が存在している」とのくだりを読み、わが意を得たり、と思いました。 実は、商標登録を専門とする弁理士の仕事をしている中で、あま...
商標審査基準の改訂-2007年04月06日
平成19年4月1日から施行された法律の一部改正に伴い、商標審査基準の改訂版が、特許庁ウェブサイトにおいて公表されました。 (1)商標法において小売業等に係る商標が新たにサービスマーク(役務商標)として保護されることになったことから、出願人の商標の使用意思の確認の強化など、小売業者等に係る商標に関する審査基準が公表されています。 (2)先願登録商標との類否の審査について、当事者である引用商標の商標権者の取引の実情を示す説明書が提出された場合には、判断材料の一つとして説明書を参酌できるよう、第4条第1項第11号の運用に関する審査基準が改訂されています。 (3)地域団体商標に関する法施行後の実態を踏...
商標の称呼と類似-2007年04月03日
商標が類似するかどうかは、重要な概念です。 商標が登録できるかどうかは、先に登録されている商標と類似しないことが必要ですし、商標権侵害になるかどうかも、登録されている商標と使用している商標とが類似するかどうかが焦点になります。 商標が類似するかどうかの判断は、観念類似(意味合いの類似)、外観類似(見た目の類似)の判断もされますが、もっとも重要といえるのが称呼類似(読み方の類似です)。 ブラウザソフト「Firefox」の商標登録に関するblogがありました。 さて、商標が類似するかどうかの判断基準では、登録の際に判断する特許庁と、侵害事件の際に判断する裁判所とでは、やや異なる点もありますが、特許...
それでも「本生」は商標です-2007年04月02日
アサヒ「本生」の商標登録認めず 知財高裁判決(イザ!)との記事がありました。 アサヒビールが出願した発泡酒「本生」の商標登録出願が拒絶されたことに対し、不服申立をしたが特許庁がやはり登録を認めなかった審決について、裁判所もその判断を維持したという内容です。 (なお、記事中の「無効にした」という記載は誤りです) 要約すれば、判決では、商標を構成する「本生」の文字は食品分野において広く用いられているものであって、出願人の使用実績を勘案しても、「本生」の文字のみによって,原告商品が原告の業務に係るものであることを認識できるほど取引者・需要者に広く知られるに至ったとはいえない、と判断したものです。 こ...
商標の広告宣伝機能とWebブランディング-2007年04月01日
商標の機能として、自他商品等識別機能、出所表示機能、品質等保証機能と並んで、広告宣伝機能があるといわれます。弁理士試験でも必ず勉強する項目です。 広告宣伝機能は、広い意味では商標の機能ともいえますが、広告を含むマーケティング活動において商標が使用される結果、発揮させる機能です。 一定の品質や、消費者に対するブランド認知、好感度の向上を得られるよう、適切な商標管理を行うことが必要です。 そして、放送での広告、雑誌やポスターなどの印刷媒体での広告等、商標の使用や、広告・ブランディングのための広い意味でのマーケティング活動においては、ブランドイメージを重視した展開を行うことが多いものです。 しかし、...