ページトップへ

商標登録ドットコム > 商標の拒絶理由(登録できない商標) > 4条1項17号(審決例)

審決例(4条1項17号):商標の拒絶理由

商標「シャンパンハニージュレ」(第3類)は、「シャンパン」「ハニー」「ジュレ」に分離でき、「Champagne」及び「シャンパン」の語は、フランス北東部の地名であり、また、同地で作られる発泡性ぶどう酒をも意味する語として広く認識されていることから、本願商標は公正な取引秩序を乱し、国際信義に反するものであり、商標法第4条第1項第17号で登録できないとされる「葡萄酒・蒸留酒」以外の商品については第4条第1項第7号「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に含まれるとされ、拒絶された事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2009-18927
【審決日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【事案】
本願商標は、「シャンパンハニージュレ」の文字を標準文字により表してなり、第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年10月3日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、原審における平成21年6月24日付け手続補正書によって補正された結果、第3類「フランス国シャンパーニュ地方で造られる発泡性ぶどう酒を配合した化粧品,フランス国シャンパーニュ地方で造られる発泡性ぶどう酒を配合したせっけん類」となったものである。

【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、『シャンパンハニージュレ』の文字よりなるところ、構成中の『シャンパン』の文字は『シャンパーニュ地方で作られる発泡性ぶどう酒』を意味するものとして一般需要者の間に広く知られているもので、『シャンパンハニージュレ』の語が、常に一体不可分のものとして認識しなければならない事情は認められないから、『シャンパン』の語を含む本願商標をその指定商品に使用するときは、著名な『Champagne』の表示へのただ乗り(フリーライド)及び同表示の希釈化(ダイリューション)を生じさせるおそれがあるものといえ、さらに、シャンパーニュ地方のぶどう生産者及びぶどう酒製造者はもとより、国を挙げてぶどう酒の原産地名称又は原産地表示の保護に努めているフランス国民の感情を害するおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、公正な取引秩序を乱し、国際信義に反するものであるから、公の秩序を害するおそれがあるというのが相当であり、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

審決における判断

本願商標は、前記1のとおり、「シャンパンハニージュレ」の文字を書してなるところ、その構成中、「シャンパン」の文字は、「フランス北東部シャンパーニュ地方産の発泡ワイン」を意味する語であり、「ハニー」の文字は、「蜂蜜」を意味する語であり、「ジュレ」の文字は、「ゼリー」を意味する語であって(いずれも「コンサイスカタカナ語辞典(株式会社三省堂)」を参照)、それぞれ当該意味合いで一般に親しまれている語であるから、本願商標は、「シャンパン」、「ハニー」、「ジュレ」の各語からなるものと容易に認識させるものである。
そして、「シャンパン」に関しては、以下の事実が認められる。

(1)三省堂2005年10月20日発行「コンサイスカタカナ語辞典(第3版)」の「シャンパン[champagne]」の項には、「発泡ワインの1種.フランス北東部シャンパーニュ地方産の美酒.白ぶどう酒に糖分を加え発酵させ,香料を配し,びん詰にして1年以上貯蔵する.多量の炭酸ガスを含みさわやかな香味をもつ.祝宴に多く用いられる.シャンペンとも.日本では中国名『三鞭酒』を借りてシャンペンと読んでいた.シャンパーニュ地方以外でつくられる発泡ワインはスパークリング-ワインと呼んで区別される.」と記載されている。

(2)岩波書店2008年1月11日発行「広辞苑第六版」の「シャンパン【champagne】」の項には、「発泡性の白葡萄酒。厳密にはフランス北東部シャンパーニュ地方産のものを指す。発酵の際に生じた炭酸ガスを含み、一種爽快な香味がある。」と記載され、同じく「シャンパーニュ【Champagne】」の項には、「フランス北東部、パリ盆地東部の地方(州)。ブドウ栽培・シャンペン製造で知名。中心都市ランス。」と記載されている。

(3)集英社2007年1月1日発行「イミダス2007」の「シャンパーニュ champagne」の項には、「フランスのシャンパーニュ地方で作られる発泡酒。シャンパンともいう。・・・女性の間で日常のお酒としての人気が急上昇しており、百貨店での売上高が前年比3割前後の増加という伸びを見せている。・・・シャンパーニュという名称はフランスのシャンパーニュ地方で作られたもののみ名乗ることができる。」と記載されている。

(4)柴田書店1982年5月20日発行「新版 世界の酒事典」には、「シャンパン(Champagne)」の見出の下に、「フランスのシャンパーニュ地方でつくられているスパークリング・ワイン.正式の名称をバン・ド・シャンパーニュ(Vin de Champagne)という.世界の各地で、各種のスパークリング・ワインがつくられているが,このうちシャンパンと呼ばれるものは,フランスのシャンパーニュ地方,特にプルミェール・ゾーン(ランス山とマルヌ谷との一等地),ドゥジェーム・ゾーン(マルヌ県のうち一等地以外の村落群)産のスパークリング・ワインにかぎると1911年の法律で定められている.」と記載され、柴田書店1995年8月1日発行「世界酒大事典」にも同様に記載されている。

(5)明治屋本社昭和63年8月1日再版発行「明治屋酒類辞典」には、「Champagne(仏)(英)シャンパン」の見出の下に、「フランスの古い州の名『シャンパーニュ』をとってワインの名に用いたものである。現在『統制された名称』であって,何ら形容詞を付けないで単に『シャンパーニュ』と称する資格を有するのは,マルヌ県の一定地域のブドウを原料にし,その地域内で,『シャンパン法』でつくった『白』スパークリング・ワインである。最高生産量にも制限があって,それを越えた部分には形容詞がつく。」と記載され、また、[統制名称]の見出の下に、「シャンパンは,詳しくは『ヴァン・ド・シャンパーニュ』であるが,『シャンパーニュ』という地名を名乗るには資格がいる。1908年(明治41年)初めて法律ができて,『シャンパーニュ』という名称が『法律上指定された』名となった。」、「要するにシャンパンの条件は(a)シャンパン地区の生産であること。(b)シャンパン法(ビン内で後発酵を行い,発生したガスをビン内に封じ込める)で製造したものであること。(c)白ワインであること。(原料ブドウには黒ブドウと白ブドウとを,メーカーの秘伝の比率で混和するけれど,でき上がりは白ワインである)(d)その年度の最高の生産高に制限があること,の4条件を具えなければならない。」、「戦前,わが国でもシャンパンの名称を乱用した歴史があるが,敗戦の結果,サンフランシスコ講和条約の効果として,マドリッド協定に加入を余儀なくされ,以来フランスの国内法を尊重している。」等と記載されている。

(6)角川書店1990年6月30日発行「世界の酒4 シャンパン」には、その6頁に、「シャンパーニュの丘」の見出の下に「シャンパーニュのワインの歴史に、さらにひとつの栄光のエピソードが加わった。それは発泡性のワインの誕生である。この画期的な発見、発明は、その後の研究者たちの努力によって、発泡性ワイン、シャンパンの名声を、ヨーロッパのみならず世界的なものにしたのであった。」と記載され、8頁に、「シャンパーニュのぶどう畑」との見出の下に「シャンパーニュというのは、この地方の古くからの一般的呼称である。・・・シャンパーニュには、他の産業もいろいろとあるが、何といってもシャンパンで世界的に知られている。」と記載されている。

(7)サントリー株式会社1998年12月1日発行「世界のワインカタログ1999 by Suntory」には、「シャンパーニュ Champagne」の項に、「シャンパーニュ(Champagne)A.O.C.ワイン地域図」としてワイン産地の地図が掲載され、「シャンパーニュ」の見出の下に、「フランスの葡萄産地としては最北部にあたるシャンパーニュは、言うまでもなく、あのシャンパンの産地です。この地でつくられるスパークリングワインのシャンパンは、スパークリングワインの代名詞として使用されるほど、世界で最も有名なワインのひとつです。その名にふさわしく、大変手間のかかる伝統的な手法をかたくなに守り続けて、素晴らしい風味を生み出しています。・・・シャンパン表示のできるものは、このシャンパーニュ地方の指定地域内でとれた黒葡萄のピノ・ノワールとピノ・ムニエ、白葡萄のシャルドネの3種のみから生産され、発泡性をもたせるために瓶内で2回目の発酵を行い、それによって生じた炭酸ガスを瓶内に封じ込める方法でつくられたものに限る、とされています。」と記載されている。

(8)宙(おおぞら)出版1999年「はじめてのシャンパン&シェリー」には、22頁に、「シャンパンの定義」の見出の下に、「シャンパンというと、発泡性ワインの代名詞のようなイメージがありますが、正確には、フランスのシャンパーニュ地方で伝統的な醸造法を用いて造られた発泡性ワインのみを指します。シャンパンの規定は、フランスのワイン法(AOC)で細かく定められています。シャンパーニュ地方で栽培されたブドウを用いること、伝統的なシャンパーニュ方式で製造すること、製造の全工程を指定地域内で行うことなど、さまざまな条件を満たすことが義務付けられています。ほかの国や地域で、シャンパンと同様の製法を用いた発泡性ワインが造られたとしても、それをシャンパンと呼ぶことはできないのです。」と記載されている。また、同132頁及び133頁に、「一目で分かるシャンパンのデータ」の見出の下に、1998年における上位10カ国へのフランスからの国別出荷量等がグラフにより示されており、我が国への出荷量については、イギリス、ドイツ、アメリカ、ベルギー、スイス、イタリアに次いで多く298万本(750ml、以下同じ。)であること及びフランスからの総出荷量は、1993年が22909万本、1998年が29246万本であって、この間ゆるやかに上昇を続けている旨の記載がある。

(9)フランス食品振興会(SOPEXA)1987年発行「フランスのワインとスピリッツ」には、18頁及び19頁に、EC(欧州共同体)の規則に従って、ワインはテーブルワインとV.Q.P.R.D.(指定地域優良ワイン)の2つの等級に分類され、フランスでは、この2つの等級がさらにそれぞれ2分され、(a)A.O.C.(原産地統制名称ワイン)(b)V.D.Q.S.(上質指定ワイン)(c)ヴァン・ド・ペイ(地酒)(d)ヴァン・ド・ペイを除いたテーブルワインの4つに分けられること、V.D.Q.S.(上質指定ワイン)は、原産地名称国立研究所(I.N.A.O.)によって厳しく規制されたものに限られ、製造の条件は法令化されていること、A.O.C.(原産地統制名称ワイン)は、その製造が、V.D.Q.Sワインに適用される規制よりさらに厳格な規則を充たすものでなければならず、原産地、品種、最低アルコール含有度、最大収穫量、栽培法、剪定、醸造法及び場合によっては熟成条件等の規準が決定されていること、原産地域がV.D.Q.Sワインの場合よりさらに厳しく限定されていること、その名称を使用することができるためには、様々な規準に合うように製造され、さらに鑑定試飲会の検査に合格しなければならないことなどが記載され、また、同20頁には、産地別A.O.C.ワイン一覧表中に「シャンパーニュ(CHAMPAGNE)」が記載されている。

(10)1989年6月13日付け日本経済新聞夕刊では、「シャンパン人気急上昇」の見出の下に「結婚披露宴の乾杯用かクリスマス・ディナーの小道具--。これまで限られた出番に甘んじていたシャンパンなど発泡性ワインの人気が急上昇している。」などを内容とする記事があり、「発泡性ワイン輸入量5割増」との見出の下に「現在ではフランスの原産地名称国立研究所(INAO)により、『シャンパン』と名のれるのはその“生誕地”シャンパーニュ地方の発泡性ワインのみと規定されている。」と報道された。

(11)1990年11月16日付け朝日新聞東京朝刊では、「商品の外国地名使用ご用心」の見出の下に「祝賀パーティーの乾杯に欠かせないシャンパンといっても、厳密には『シャンパン』と『スパークリング(発泡性)ワイン』の区別がある。どちらも、泡の立つ白ワインに違いはないが、前者はフランスのシャンパーニュ地方産、後者はそれ以外の国や地域で醸造されたものをさす。・・・欧州共同体(EC)は『スパークリング・ワイン』を勝手に『シャンパン』として売るな、と主張している。」と報道された。

(12)1991年4月27日付け朝日新聞東京夕刊では、「スパークリングワイン 手ごろな値段で楽しめる」の見出の下に「・・・スパークリングワインが最近、人気を集めています。お祝いの席の乾杯の酒から、友人たちといつでも気軽に楽しめる飲み物に変わってきているようです。代表的な銘柄であるシャンパンの高級品は一本数万円しますが、・・・」、「シャンパンはシャンパーニュ地方で、瓶内発酵法によってつくるなど、法律で基準が細かく決まっており、この地方以外でつくられるスパークリングワインをシャンパンと呼ぶのは禁止されている。」と報道された。

(13)1996年11月8日付け日本食糧新聞では、「加州産シャンパン、シャブリ日本での販売中止へ」の見出の下に「シャンパーニュ委員会日本事務所・・・は、シャンパーニュの呼称保護策の一つとして、フランス本国の国立酒類原産地表示規制機構(INAO)と、シャンパーニュ酒造業者委員会(CIVC)の委嘱を受け、日本におけるカリフォルニア産シャンパンの販売中止を、輸入業者へ要請してきた。」と報道された。

(14)2005年9月18日付け朝日新聞東京朝刊では、「シャンパン呼称論争決着 EU・米、20年越し」の見出の下に「仏シャンパーニュ地方産以外の発泡性ワインは『シャンパン』とは名乗らない--。欧州連合(EU)と米国がワインの呼称規制について合意した。伝統の名称を守りたい欧州は、有名ブランドにあやかって売り上げを伸ばした米国と約20年にわたって対立してきたが、ようやく決着した。・・・欧州委員会によると、米国はブルゴーニュ、シャブリ、シャンパン(シャンパーニュ)・・・など地名にちなむ17の名前の使用を制限する。・・・欧州では、生産地やブドウの種類、製法などによって使える名前を法律で定め、ブランド価値を維持している例が多い。だが米国では、安い白ワインを『カリフォルニア・シャブリ』などと名付けて販売するメーカーがあり、欧州側が改善を求めていた。欧州委によると、今後さらに厳格な規定を米・EUで協議するという。」と報道された。

(15)「山梨県ワイン百科」のホームページにおいて、「世界のワイン 2:フランスのワイン」の項に、「(1)・・・4.AOC(原産地統制名称ワイン) フランスワインの約35%を占めるAOCワインは、原産地名がワインの名称となるわけで、1935年に制定された原産地統制名称法(AOC法)によって規制され、INAO(国立原産地名称研究所)によって管理されています。」、「(2)フランスワインの産地(A.O.C)・・・5 シャンパーニュ」との記載がある。
 (http://www.pref.yamanashi.jp/wine/world_wine02.html)

(16)「アサヒビール株式会社」のホームページにおいて、「ASAHIWINE.COM」の「今日から使える基礎知識」の項に、「スパークリングワインとは?」の見出しの下、「強発泡性ワインには,フランスの、シャンパン、クレマンやヴァン・ムース・・・などがあり、・・・」との記載や、「シャンパンとは?」の見出しの下、「これらのスパークリングワインは、各々、使用ブドウ品種、産地、製法、貯蔵期間などの面で一定の法的規制を受けています。例えば、シャンパンはフランス・シャンパーニュ地方の限定された地区で、限定された条件をクリアーして生産されたものだけが名乗れるAOCワインの名称です。強発泡性ワインの中で最も著名なものは、このシャンパンですが、・・・」との記載がある。
 (http://www.asahibeer.co.jp/enjoy/wine/sparkling/kiso.html)

(17)「楽天市場」のホームページにおいて、「かわばた“セレクト” Champagne シャンパーニュ」の項に、「シャンパンとは?」の見出しの下、「シャンパンとは、シャンパン酒規制と言うフランスの法律で厳格に規定され、その製造規定に従い、シャンパーニュ地方の限定された地域で栽培された、規定されたブドウ品種のみを使用して、瓶内で自然発酵及び熟成をさせたお酒です。」との記載がある。
 (http://item.rakuten.co.jp/k-wine/c/0000000717/)

以上の事実によれば、「Champagne」及び「シャンパン」の語は、フランス北東部の地名であり、また、同地で作られる発泡性ぶどう酒をも意味する語であること、生産地域、製法、生産量など所定の条件を備えたぶどう酒についてだけ使用できるフランスの原産地統制名称であること、シャンパンが発泡性ぶどう酒を代表するほど世界的に著名であること、我が国において数多くの辞典、書籍及び新聞などにおいてシャンパンについての説明がなされていること、シャンパンはフランスの法令によって規定され、その名称の使用も制限されていることなどが認められる。
してみれば、上記事実を総合すると、「Champagne」及び「シャンパン」の語は、我が国において、「フランスのシャンパーニュ地方で作られる発泡性ぶどう酒」を意味するものとして、一般需要者の間に広く知られているというのが相当であり、「Champagne」及び「シャンパン」の名称は、法令に基づきINAOにより保護され、フランス国内外で該名称を保護する活動が行われているといえる。
しかして、本願商標は、前記1のとおりの構成からなるところ、前述のように、「シャンパン」、「ハニー」、「ジュレ」の各語からなるものとして容易に認識、把握させるものである。
そして、本願商標は、その構成全体をもって特定の意味合いを有する語として知られているものとはいえないのに対し、該構成中の「シャンパン」の文字は、前示のとおり、著名な原産地統制名称であるから、該文字部分が強く看者の印象に残るものというべきであり、他に、本願商標が常に一体不可分のものとしてのみ認識、把握されなければならない特段の事情を見いだせない

ところで、原産地名称は、商品が産出された土地の地理的名称をいい、地理的名称に限定されること及びその商品の品質、社会的評価、その他の特性が、産出地固有の気候、地味等の自然条件又は産出地の人々が有する伝来の生産技術、経験若しくは文化等の人的条件といった地理的要因に基づくこと等の点において商標とは異なるが、商品の出所表示機能、品質保証機能及び広告機能を有する点において商標と共通しているものである。そうすると、著名な原産地名称の有する前記機能は、法律が許容する限り、著名商標の有するこれらの機能が商標法によって保護されているのと同様に保護されることが望ましいものである。したがって、商標法第4条第1項第7号にいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、著名な原産地名称を含む表示からなる商標を同法第4条第1項第17号によって商標登録を受けることができないとされているぶどう酒又は蒸留酒以外の商品に使用した場合に、当該表示へのただ乗り(フリーライド)又は当該表示の希釈化(ダイリューション)を生じさせるおそれがある等公正な取引秩序を乱すおそれがあると認められるものや国際信義に反すると認められるものも含まれると解すべきである。

以上を総合し、「シャンパン」の語が「フランスのシャンパーニュ地方で作られる発泡性ぶどう酒」を意味するものとして我が国の一般需要者の間に広く知られているものであること並びにフランスシャンパーニュ地方のぶどう生産者・ぶどう酒製造者が永年その土地の風土を利用して優れた品質の発泡性ぶどう酒の生産に努めてきたこと及びフランスが国内法令を制定し、INAO等が中心となって原産地名称を統制、保護してきた結果、該語よりなる表示の著名性が獲得されたものであることをも併せ考慮すれば、「シャンパン」の文字を含む本願商標をその指定商品に使用するときは、著名な「Champagne」及び「シャンパン」の表示へのただ乗り(フリーライド)及び同表示の希釈化(ダイリューション)を生じさせるおそれがあるばかりでなく、シャンパーニュ地方のぶどう生産者及びぶどう酒製造者はもとより国を挙げてぶどう酒の原産地名称又は原産地表示の保護に努めているフランス国民の感情を害するおそれがあるというべきである。
したがって、本願商標は、公正な取引秩序を乱し、国際信義に反するものであり、公の秩序を害するおそれがあるものと判断するのが相当である。
(中略)

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。

続きを読む

商標「DUCA DI SALAPARUTA MOON」が、産地が異なる葡萄酒について使用する商標である地する拒絶理由通知に対し、指定商品を「イタリア共和国サラパルータ産のぶどう酒,イタリア共和国サラパルータ産のその他の果実酒,イタリア共和国サラパルータ産の洋酒」に補正して登録された事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2016-2423
【審決日】平成28年10月3日(2016.10.3)
【事案】
本願商標は、「DUCA DI SALAPARUTA MOON」の欧文字を標準文字で表してなり、第33類「ワイン,その他の果実酒,洋酒」を指定商品として、平成26年9月30日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同28年3月30日付け手続補正書及び同年9月6日付け手続補正書により、最終的に第33類「イタリア共和国サラパルータ産のぶどう酒,イタリア共和国サラパルータ産のその他の果実酒,イタリア共和国サラパルータ産の洋酒」に補正されたものである。

【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、『DUCA DI SALAPARUTA MOON』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中に世界貿易機関の加盟国のぶどう酒又は蒸留酒の産地を表示する標章のうち当該加盟国において当該産地以外の地域を産地とするぶどう酒について使用することが禁止されている『SALAPARUTA』の文字を有するものであって、その指定商品に当該産地以外の地域を産地とするぶどう酒について使用する商品を含むものであるから、商標法第4条第1項第17号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

審決における判断

本願の指定商品が上記1のとおり補正された結果、本願商標は、世界貿易機関の加盟国のぶどう酒の産地を表示する標章のうち当該加盟国において当該産地以外の地域を産地とするぶどう酒について使用することが禁止されているものを有する商標であるが、当該産地以外の地域を産地とするぶどう酒について使用するものではなくなった
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第17号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

続きを読む

商標の拒絶理由(登録できないもの)一覧に戻る


商標登録ドットコム™ 運営者情報

金原商標登録事務所 | 事務所概要

〒152-0034 東京都目黒区緑が丘一丁目16番7号 TEL 03-6421-2936 FAX 03-6421-2937
東急東横線・都立大学駅(東京都目黒区) | 平日 9時~ | 土・日・祝 原則休み

業務内容 | 商標・意匠の調査・出願・中間手続。審判など争訟手続。知財関連業務全般。


制作・著作: 金原 正道 | facebook | x.com | mail

サイトご利用規約 | 個人情報・秘密情報 | 著作権・リンク

© 商標登録ドットコム All Rights Reserved

4条1項17号(審決例)" /> 4条1項17号(審決例):商標登録ドットコム" /> 4条1項17号(審決例)"> 4条1項17号(審決例):商標登録ドットコム">