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商標登録ドットコム > 商標の拒絶理由(登録できない商標) > 3条2項(審決例)

審決例(3条2項):商標の拒絶理由

カッターナイフの形状からなる商標が、キャップ形状を含め指定商品の機能を確保するために不可欠な立体的形状のみからなる商標とはいえず、しかし商品の形状を普通に用いられる方法で表示した域を出ない第3条第1項第3号に該当するものであるが、形状に特異性のある本願商標を使用した結果、自他商品識別力を獲得するに至っているとして、商標法第3条第2項の要件を具備するとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2011-3475
【審決日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【事案】
本願商標は、別掲1ないし5のとおりの構成よりなり、第16類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成22年1月14日に登録出願、その後、指定商品については、当審における同23年9月8日付けの手続補正書により、第8類「カッターナイフ」と補正されたものである。

カッターナイフ

【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、カッターナイフの一形態と認識されるにとどまる格別特異とは認め難い立体的形状を普通に用いられる方法で表してなるから、これを本願の指定商品「カッターナイフ」に使用するときは、単に商品の形状について普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。なお、出願人は、使用実績を考慮すると、本願商標に接した需要者はこれを出願人を示す出所標識として認識しないと断ずることはできない旨主張し資料を提出するが、本願商標がその指定商品「カッターナイフ」について使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識されていると認められる実際に使用している商標並びに商品についての使用開始時期、使用期間、使用地域、譲渡の数量(売上高等)、広告宣伝等による事実の証左が足らず、本願商標がその指定商品について使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものということはできない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

審決における判断

原査定を取り消す。
 本願商標は、登録すべきものとする。

(1)商標法第3条と立体商標における商品等の形状について
ア 商標法第3条第1項第3号は、「その商品の・・・形状(包装の形状を含む。)・・・を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」は、商標登録を受けることができない旨を規定し、同条第2項は、「前項第三号から第五号までに該当する商標であつても、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについては、同項の規定にかかわらず、商標登録を受けることができる」旨を規定している。その趣旨は、同条第1項第3号に該当する商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものとして、商標登録の要件を欠くが、使用をされた結果、自他商品識別力を有するに至った場合に商標登録を認めることとしたものである。
 商標法は、商標登録を受けようとする商標が、立体的形状(文字、図形、記号若しくは色彩又はこれらの結合との結合を含む。)からなる場合についても、所定の要件を満たす限り、登録を受けることができる旨規定するが(同法第2条第1項、第5条第2項)、同法第4条第1項第18号において、「商品又は商品の包装の形状であつて、その商品又は商品の包装の機能を確保するために不可欠な立体的形状のみからなる商標」は、同法第3条の規定にかかわらず商標登録を受けることができない旨を規定していることに照らすと、商品の立体的形状のうち、その機能を確保するために不可欠な立体的形状については、特定の者に独占させることを許さないものとしたものと解される。
イ 商品の形状は、多くの場合、商品等に期待される機能をより効果的に発揮させたり、商品等の美感をより優れたものとする等の目的で選択されるものであって、直ちに商品の出所を表示し、自他商品を識別する標識として用いられるものではない。このように、商品等の製造者、供給者の観点からすれば、商品等の形状は、多くの場合、それ自体において出所表示機能ないし自他商品識別機能を有するもの、すなわち、商標としての機能を果たすものとして採用するものとはいえない。また、商品等の形状を見る需要者の観点からしても、商品等の形状は、文字、図形、記号等により平面的に表示される標章とは異なり、商品の機能や美感を際立たせるために選択されたものと認識するのであって、商品等の出所を表示し、自他商品を識別するために選択されたものと認識する場合は多くない。
 そうすると、客観的に見て、商品等の機能又は美感に資することを目的として採用されると認められる商品等の形状は、特段の事情のない限り、商品等の形状を普通に用いられる方法で使用する標章のみからなる商標として、商標法第3条第1項第3号に該当することになる。
 また、商品等の機能又は美感に資することを目的とする形状は、同種の商品等に関与する者が当該形状を使用することを欲するものであるから、先に商標出願したことのみを理由として特定人に当該形状の独占使用を認めることは、公益上適当でない。
 よって、当該商品の用途、性質等に基づく制約の下で、同種の商品等について、機能又は美感に資することを目的とする形状の選択であると予測し得る範囲のものであれば、当該形状が特徴を有していたとしても、同号に該当するものというべきである。
ウ 他方、商標法第3条第2項は、商品の機能を確保するために不可欠とまでは評価されない立体的形状については、それが商品の機能を効果的に発揮させ、商品の美感を追求する目的により選択される形状であったとしても、商品の出所を表示し、自他商品を識別する標識として用いられ、又は使用をされた結果、その形状が自他商品識別力を獲得した場合には、商標登録を受けることができるものと規定している(平成22年(行ケ)第10366号、知的財産高等裁判所平成23年4月21日判決言渡し参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第3号の該当性について
ア 本願商標の構成について
 本願商標は、別掲1ないし5に示すとおり、カッターナイフの一種と看取される形状からなるところ、大別して黒色のホルダー部及び黄色のキャップ部からなるものである。
 しかして、当該ホルダー部の形状は、正面(別掲1)から観察するとキャップ部から刃を繰り出す先端方向に向けてテーパー状に延びる黒色のホルダー部分と、当該ホルダー部に挟みこまれるように保持される刃部と、当該刃部と連結され、刃部をホルダー部の先端部から繰り出し、かつ、収納するためにスライドさせる白色の操作部から構成されている。
 また、当該キャップ部は、正面(別掲1)から見ると、欧文字「T」を右側に90度倒し、その縦棒の付け根をやや上方にずらしたような形状からなり、当該縦棒がホルダー部に挟み込まれるようにはめ込まれており、当該「T」字形状の横棒は、ホルダー部を正面(別掲1)から観察すると、下底が上底よりも長い台形となっており、前記のホルダー部へのはめ込み部分以外の端部が丸みを帯びているという特徴を有してなるもの(以下、「本願キャップ形状」という。)である。
 さらに、本願商標は、前記のとおり、黒色のホルダー部と黄色の本願キャップ図形という彩色がなされ、その色彩上のコントラストから、本願キャップ図形は、需要者の目につきやすいものである。
 加えて、本願キャップ形状を含め、本願商標の形状は、その指定商品の機能を確保するために不可欠な立体的形状のみからなるものとは、言い難いものである。
イ 本願商標の識別性について
 本願の指定商品は、前記1のとおり「カッターナイフ」である。
 そうすると、本願商標は、上記アのとおり、本願キャップ形状という特徴を有しているものではあるが、本願商標の構成を全体としてみた場合、カッターナイフの一種と容易に看取、認識されるものであり、本願の指定商品「カッターナイフ」の一形態と認識されるものといえる。
 加えて、請求人の提出に係る証拠(第10号証(審決注:原審において提出された資料1ないし10は、第1号証ないし第10号証と読み替えた。また、特に断らない限り、書証番号のみ記載するときは、その枝番号の書証を含むものとする。以下同じ。)によれば、本願の指定商品の分野において採択される商品の形状からみて、本願商標の形状は、カッターナイフの形状と需要者に容易に認識されるものといわなければならない。
 そうとすると、本願商標は、本件審決時を基準として、客観的に見れば、本願キャップ形状が、特徴的なものであるとしても、いまだ商品の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当であり、需要者が指定商品の形状として一般に認識しうるものというべきである。
ウ 請求人の主張について
 請求人は、現行法下「色彩」が立体的形状と結合することで商標の構成要素の一つとなることは条文からも明らかであるところ、本願商標における黒色と黄色の色彩の組合せから与えられる印象は識別力の判断においても重視されるべきであるとし、本願商標のような形状及びキャップ部とホルダー部の色彩の組み合わせは、必ずしもカッターナイフの機能向上の観点から不可欠なものでもなく、本願の指定商品の分野において同様の形状・色彩の商品の存在も認められない。以上の点において本願商標は個性的な形状・色彩からなり、「商品の形状について普通に用いられる方法で表示する」ものと断ずることはできない。また、本願商標のような特徴的な形状及びキャップ部とホルダー部の色彩の組み合わせは、本願の指定商品の需要者である一般消費者において、商品の次回購入を検討する際に商品の購入又は非購入を決定する上で標識とするに十分足るものである旨主張する。
 しかしながら、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断は、需要者の一般の認識をもって判断されるべきものである(昭和60年(行ツ)第68号、最高裁判所第一小法廷昭和61年1月23日判決言渡し参照)。確かに、請求人の主張のとおり、色彩も商標の構成要素となりうるが、色彩は、それのみでは商標の構成要素にはならないこと(商標法第2条第1項)を前提に、本願商標の形状自体が、カッターナイフの一形状と需要者に一般に認識されるものであること、商品に複数の色彩を付することも通常良く行われていることを踏まえるならば、黄色と黒色で本願商標に係る立体形状に彩色が施されたとしても、それのみで本願商標が出所識別標識として機能するものということはできない。
 また、商品の機能の観点からみて、色彩の付された本願商標の形状が必要不可欠なものとはいえないとしても、需要者が本願商標をカッターナイフの一形態と一般に認識しうるものである以上は、商品の出所識別標識として機能するものとはいえない。
 さらに、本願商標と同一の形状及び色彩からなる商品が現実に存するか否かは、商標法第3条第1項第3号の要件事実でないことは、同号の条文や上掲の最高裁判決に照らして明らかである。
 よって、上記の請求人の主張は、いずれも理由がなく採用することができない。
エ 小括
 以上アないしウからすると、本願商標は、その指定商品との関係において、単に商品の形状を普通に用いられる方法で表したにすぎないものであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3項に該当する。
(3)本願商標の商標法第3条第2項の該当性について
ア 商標法第3条第2項の趣旨
 商標法第3条第2項は、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として同条第1項第3号に該当する商標であっても、使用により自他商品識別力を獲得するに至った場合には、商標登録を受けることができることを規定している。
 そして、立体的形状からなる商標が使用により自他商品識別力を獲得したかどうかは、(ア)当該商標の形状及び当該形状に類似した他の商品等の存否、(イ)当該商標が使用された期間、商品の販売数量、広告宣伝がされた期間及び規模等の使用の事情を総合考慮して判断すべきである。なお、使用に係る商標ないし商品等の形状は、原則として、出願に係る商標と実質的に同一であり、指定商品に属する商品であることを要するが、機能を維持するため又は新商品の販売のため、商品等の形状を変更することもあり得ることに照らすと、使用に係る商品等の立体的形状が、出願に係る商標の形状と僅かな相違が存在しても、なお、立体的形状が需要者の目につきやすく、強い印象を与えるものであったか等を総合勘案した上で、立体的形状が独立して自他商品識別力を獲得するに至っているか否かを判断すべきである(前掲平成22年(行ケ)第10366号、知的財産高等裁判所平成23年4月21日判決言渡し参照)。
 この場合、立体的形状を有する使用商品にその出所である企業等の名称や文字商標等が付されていたとしても、そのことのみで上記立体的形状について同法第3条第2項の適用を否定すべきではなく、上記文字商標等を捨象して残された立体的形状に注目して、独自の自他商品識別力を獲得するに至っているかどうかを判断すべきである(平成22年(行ケ)第10169号、知的財産高等裁判所平成22年11月16日判決言渡し参照)。
イ 本願商標の商標法第3条第2項該当性
 以下、本願商標が上記アの観点に照らして、商標法第3条第2項に該当するか否か検討する。
(ア)本願商標の形状及び本願形状に類似した他の商品等の存否
a 上記(2)のとおり、本願商標は、その指定商品であるカッターナイフの立体的形状に係るものであり、本願商標は、その指定商品の形状として通常採用されている範囲を大きく超えるものとまでは認められず、需要者において商品の形状として一般に認識されるものというべきである。
 しかしながら、本願キャップ形状のような特徴を有するカッターナイフは、同種の商品には見当たらない(第10号証)。
 してみれば、前記(2)アのとおりの本願キャップ形状を有する本願商標は、ほかの同種商品と見分けられる一定の特異性を有しているということができるものである。
(イ)本願商標の使用の実情 
a 請求人は、1970年(昭和45年)に、「オルファ180ブラック」、「ブラック180」の品名で、本願商標に係るカッターナイフを発売し、その後、一貫して本願商標と同一の形状及び色彩の商品が継続して販売されているところ、その使用期間は、本件審決時まで40年以上の長きにわたるものである(第1号証、第2号証及び第11号証)。
 また、本願商標に係る商品は、1971年(昭和46年)8月4日付けでグッドデザイン賞を受賞し、その後、昭和62年度のロングライフデザイン賞を1987年(昭和62年)10月29日付けで受賞している(第3号証)。 
b 本願商標に係るカッターナイフは、2000年ないし2010年の11年間に579万本以上が卸売業者に取引されており(第11号証(審決注:第11号証の15に係る株式会社フォーデックは、第11号証の2に係るマンモスグループの会員であるから(第12号証の2)、11号証の15に係る取引数は、取引本数の総計から除外した。)、その卸先の販売店も全国各地の店舗に及んでいる(第12号証)。
 また、請求人は、本願商標に係るカッターナイフを1970年(昭和45年5月)より2009年12月31日までに、国内のみで累計4800万本以上、世界を含めると1億本以上を売上げており、2009年においてもその売上げは、1億4千万円以上(第4号証)であること、また、カッターナイフの分野における請求人の市場占有率は50%(約27億円)(第7号証の1第4頁、第13号証及び第14号証)であるところ、請求人は、50種類以上のカッターナイフを製造、販売している。かかる状況のもとで、本願商標に係るカッターナイフが毎年1.5億円規模で販売されていることからすれば、本願商標に係るカッターナイフは、請求人の代表的な商品である旨主張するところ、これに反する事実は見当たらない。
)。
c 本願商標に係るカッターナイフは、たびたび新聞、雑誌、書籍、インターネットウェブサイトにカッターナイフを代表する商品として紹介されている(第5号証及び第6号証、第7号証の1ないし4、第16号証ないし第18号証、第20号証、第22号証、第23号証ないし第33号証)ところ、例えば、その一部を摘示すると「世界中で使われている小型カッターのベストセラー。」(第5号証の3)、「同社の最大のヒット商品『ブラック』は、七○年に発売されて以来、その姿を変えないまま、海外百五か国を含めて累計八千四百万本を売り、現在も年間三百六十万本のペースで生産を続けている。」(第6号証の1)、「もうひとつの定番は、1970(昭和45)年に発売された『ブラックS型』。こちらもロングセラー商品で、世界中に輸出されている。販売本数は1億本以上。この2本のうちどちらか、あるいは両方を会社や家庭で使っているという人は多いはずだ。」(第7号証の1)、「カッターナイフといえばこのブラックS型をイメージする方は多いのではないでしょうか。」(第7号証の2)、「愛着があるのがオルファのカッターナイフ。・・・黒と黄色のデザインが好き。」(第7号証の4)、「世界中で愛用されているロングセラーの小型カッター。」(第20号証)、「『ブラックS型』はグッドデザインのロングライフ賞も受賞した小型カッターの超定番」(第23号証)、「小さなボディのロングセラー。」(第24号証)及び「世界中に輸出されている人気商品であり、1億本を越える販売本数を記録しているカッターナイフ界の王様です。」(第26号証)等の記載が見受けられる。
(ウ)小括
 前記のとおり、本願キャップ形状が、他に見当たらない特異性を有し、1970年(昭和45年)年以降40年以上にわたって本件審決時まで、本願商標と同一の形状及び色彩からなる商品「カッターナイフ」が一貫して製造、販売され、需要者の強い支持を得ているロングセラーであることに照らすならば、本願商標についての「OLFA」、「オルファ」等の平面的な商標の使用及び「ブラック180」、「ブラック(S型)」の品名の表示を考慮してもなお、当該平面的な商標等を捨象して、前記(2)アのとおりの色彩と結合した立体的形状に係る本願商標は、自他商品識別力を獲得するに至っており、本願の指定商品「カッターナイフ」の需要者が、本願商標に接するときは、請求人に係るカッターナイフであることを認識することができるものというのが相当である。
 してみれば、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するというべきである。
(4)まとめ
 以上のとおり、本願商標は、その指定商品について、商標法第3条第2項の要件を具備するものであるから、同条第1項第3号の規定に該当するとして、本願を拒絶すべき限りでない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

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「タカラヅカ」の文字を標準文字からなる商標は、役務の提供の場所「兵庫県南東部の市」を普通に用いられる方法で表示したものと認識され、「宝塚歌劇(団)」の略称「タカラヅカ」の文字が使用されていたとしても宣伝広告の頒布数、頒布範囲などが具体的に確認できないため、需要者の間で広く知られていたとはいえない、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるとはいえないとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2021-17467
【審決日】令和5年11月30日(2023.11.30)
【事案】
本願商標は、「タカラヅカ」の文字を標準文字で表してなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務(以下「原審役務」という。)を指定役務として、令和2年5月27日に登録出願されたものである。
本願は、令和3年4月26日付けで拒絶理由が通知され、同年6月8日に意見書が提出されたが、同年9月14日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同年12月17日に拒絶査定不服審判が請求され、原審役務については、同日付けの手続補正書により、別掲1のとおりの指定役務(以下「当審補正役務」という。)に補正されたものである。

【拒絶理由】
原査定は、本願商標は「兵庫県南東部の市」の意味を有する語である「宝塚」の語を片仮名表記したものと容易に看取できる「タカラヅカ」の文字を標準文字で表してなるから、これを、原審役務に使用しても、本願商標に接する需要者は、宝塚市において提供される役務であること、すなわち、単に役務の提供の場所を普通に用いられる方法で表示したものとして認識するから商標法第3条第1項第3号に該当し、提出された証拠によっては、同法第3条第2項に該当するものではなく、また、原審役務中の宝塚市において提供される役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

審決における判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

ア 商標法第3条第1項第3号の意義
商標法第3条第1項第3号所定の商標が登録要件を欠くとされているのは、商品の「産地、販売地、品質」等又は役務の「提供の場所、質、提供の用に供する物」等を「普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる」商標は、商品又は役務の特性を表示記述する標章であることから、取引者、需要者によって、専ら当該商品又は役務の性質を説明するものとして認識されるのが通常であり、自他商品又は役務の識別標識として認識されるとは考え難いこと、そのような標章は、多くの場合、当該商品又は役務に係る取引一般において、取引の内容を説明するために必要かつ適切な表示として機能するものであるから、誰もが自由に使用できるようにしておく必要があり、特定人の独占的使用を認めると、円滑な取引を阻害するなど公益上の問題が生じるおそれがあることによるものと解される(最高裁昭和54年4月10日第三小法廷判決・集民126号507頁参照)。

イ 本願商標が商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、上記1のとおり、「タカラヅカ」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「兵庫県南東部の市。」(広辞苑第7版)の意味を有する「宝塚」の語を片仮名表記したものである。

兵庫県宝塚市
兵庫県宝塚市 https://www.city.takarazuka.hyogo.jp/


そして、別掲2の1のとおり、「宝塚」の文字は、前掲書以外の一般的な国語辞典及び地名辞典においても地名を表示する語として載録され、また、別掲2の2のとおり、「宝塚」の文字が、地名を表示する語として使用されている実情がある。
そうすると、本願商標を、当審補正役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、当該役務が、「兵庫県南東部の市である宝塚市において提供される役務」であること、すなわち、役務の提供の場所を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにすぎない
そして、役務の提供の場所を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標は、役務の特性を表示記述する標章であることから、取引者、需要者によって、専ら当審補正役務の性質を説明するものとして認識されるのが通常であり、自他役務の識別標識として認識されるとは考え難く、また、そのような標章は、多くの場合、当審補正役務に係る取引一般において、取引の内容を説明するために必要かつ適切な表示として機能するものであるから、誰もが自由に使用できるようにしておく必要があり、特定人に独占使用させることは、円滑な取引を阻害するなどの問題が生じるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第16号該当性について

本願商標は、上記(1)イのとおり、当審補正役務中の「宝塚市において提供される役務以外の役務」に使用しても、役務の提供の場所を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにすぎないものである。
また、本願商標を当審補正役務中の「宝塚市において提供される役務以外の役務」に使用したとしても、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるとはいえない
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない

(3)本願商標の使用による自他役務の識別性について

請求人は、意見書、審判請求書(以下「請求書」という。)及び回答書にて、本願商標は長年にわたり、当審補正役務に使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものと認識されるに至っているので、商標法第3条第2項の要件を充足しており、本願商標の登録は認められるべきである旨主張しているが、その前提として、本願商標が同条第1項第3号に該当するものであることは、上記(1)のとおりである。
そこで、請求人の主張及び同人が提出した証拠を参照し、以下、本願商標の使用による自他役務の識別性(本願商標の商標法第3条第2項該当性)について検討する。
なお、本審決において、請求人が本件審判請求にて提出した第1号証ないし第22号証は、第1号証を甲第1号証、第2号証を甲第2号証のように読み替える。
また、証拠の表記にあたっては、甲第1号証を「甲1」のように省略して記載する場合があり、かつ、枝番号の全てを表示する場合は、枝番号を省略して記載する。

ア 商標法第3条第2項について
ある標章が商標法第3条第2項所定の「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるもの」に該当するか否かは、出願に係る商標と外観において同一とみられる標章が指定商品とされる商品に使用されたことを前提として、その使用開始時期、使用期間、使用地域、使用態様、当該商品の販売数量又は売上高等、当該商品又はこれに類似した商品に関する当該標章に類似した他の標章の存否などの事情を総合考慮して判断されるべきであり(知財高裁平成24年(行ケ)第10285号、平成25年1月24日判決参照)、役務についても同様に解されるものである。

イ 請求人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下のとおりである。

宝塚歌劇団
宝塚歌劇団 https://kageki.hankyu.co.jp/


(ア)請求人と宝塚歌劇団の関係について

請求人の創設者が、大正3年に兵庫県宝塚市に歌劇団と遊園地を誕生させて以来、請求人は、約100年の長きにわたり、請求人のエンターテインメント・コミュニケーション事業として、レビューや音楽劇等を演ずる「宝塚歌劇団」を運営している(請求人の主張、甲2、甲4の2)。

(イ)本願商標の使用状況について

a 使用開始時期、使用地域について
「タカラヅカ」の文字は、少なくとも、昭和34年(1959年)頃から、「演芸の上演,演劇の上演,音楽の演奏」(以下「エンターテイメント役務」という。)について、請求人が運営する「宝塚歌劇(団)」の略称として使用されていた(甲21ほか)。
また、「宝塚歌劇(団)」の公演は、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)及び東京宝塚劇場(東京都千代田区有楽町)の2か所を中心として、大阪、福岡、千葉、横浜、名古屋などでも開催されている(甲2、甲5、甲14、甲15ほか)。

b 観客動員数等について
請求人発行の「会社ハンドブック」(2020年10月及び2022年8月発行)によれば、2019年度及び2021年度における宝塚大劇場の観客動員数はそれぞれ約111万人及び約90万人、東京宝塚劇場の観客動員数はそれぞれ約92万人及び約78万人である(甲14)。
また、阪急阪神ホールディングス株式会社発行の「統合報告書2022」によれば、2012年度ないし2021年度までの宝塚歌劇の観劇人員数は、宝塚大劇場、東京宝塚劇場、その他の劇場及びライブ中継等を含め、約157万人ないし313万人の間で推移している(甲15)。

c 「宝塚歌劇(団)」のファンクラブ会員構成について
「宝塚歌劇」のファンクラブ会員構成(2009年調査)は、成人女性が多く、女性が会員の96%を占めている(甲5)。

d 広告宣伝の方法、地域及び規模等について
平成9年(1997年)及び同26年(2014年)の新聞記事(産経新聞、読売新聞、日本経済新聞)(甲3の1、3、4)、平成27年(2015年)及び令和4年(2022年)発行の雑誌(甲5、甲13の4)、昭和53年(1987年)ないし令和3年(2021年)に発行された書籍(甲6の3、4、甲13の1~3、請求人の主張)、昭和34年(1959年)ないし令和4年(2022年)のポスター及びウェブサイト(甲9~甲12の2、6~8、甲16の1、3、甲17、甲20~甲22)、宝塚歌劇専門チャンネル(甲16の2)、宝塚歌劇(団)の舞台の映像、楽曲のインターネットによる配信(甲18~甲19)などにおいて、エンターテイメント役務について、請求人の運営に係る「宝塚歌劇(団)」の略称として「タカラヅカ」の文字が使用されていたことは分かる。

ウ 判断
上記イによれば、請求人は、約100年の長きにわたり、エンターテインメント・コミュニケーション事業として、レビューや音楽劇等を演ずる「宝塚歌劇団」を運営していること、「宝塚歌劇(団)」の公演は、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)及び東京宝塚劇場(東京都千代田区有楽町)の2か所を中心として、大阪、福岡、千葉、横浜、名古屋などでも開催されていること、「タカラヅカ」の文字は、少なくとも、昭和34年(1959年)頃から、エンターテイメント役務について、請求人が運営する「宝塚歌劇(団)」の略称として使用されていたこと、2019年度及び2021年度における宝塚大劇場の観客動員数はそれぞれ約111万人及び約90万人、東京宝塚劇場の観客動員数はそれぞれ約92万人及び約78万人であり、2012年度ないし2021年度までの宝塚歌劇の観劇人員数は、宝塚大劇場、東京宝塚劇場、その他の劇場及びライブ中継等を含め、約157万人ないし313万人の間で推移していること、平成9年(1997年)及び同26年(2014年)に発行された各種新聞記事、平成27年(2015年)及び令和4年(2022年)発行の雑誌、昭和53年(1987年)ないし令和3年(2021年)に発行された書籍、昭和34年(1959年)ないし令和4年(2022年)のポスター及びウェブサイト宝塚歌劇専門チャンネル、宝塚歌劇(団)の舞台の映像、楽曲のインターネットによる配信等で、請求人の運営に係る「宝塚歌劇(団)」の略称として「タカラヅカ」の文字が使用されていたことは分かる。
しかしながら、エンターテイメント役務の業界全体の観客動員数が確認できないため、「宝塚歌劇(団)」の観客動員数の多寡を判断することができず、また、「宝塚歌劇(団)」の公演について売上高等が確認できる証拠は提出されていないため、エンターテイメント役務の業界全体における請求人の市場シェア等を客観的に判断し得ない
また、エンターテイメント役務の需要者は、老若男女を問わない一般の需要者が該当するところ、「宝塚歌劇(団)」のファンクラブ会員構成は、女性が会員の96%が女性であることからすると、「宝塚歌劇(団)」のレビューや音楽劇等の観覧をする者、宝塚歌劇専門チャンネルや宝塚歌劇(団)の舞台の映像及び楽曲のインターネットによる配信に接する需要者は、限定されていると推認できる。
さらに、広告宣伝については、各種新聞記事の掲載時期が限定的である上、掲載回数も決して多いとはいえないことからすると、各種新聞に継続的に広告宣伝を掲載していたとはいえず、また、「宝塚歌劇(団)」に関する宣伝広告がなされた雑誌、書籍等の発行部数、ポスターの印刷数量、頒布数及び頒布範囲なども具体的に確認できない
その他、請求人の提出した証拠からは、広告宣伝の規模や広告宣伝費等は明らかではない。
以上からすると、本願商標は、当審補正役務の需要者の間で広く知られていたとはいえないから、本願商標が当審補正役務に使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至っているものとは認められない
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備しない

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「ひつまぶし」の文字は、鰻を細かく刻んでご飯にまぶした料理の提供であると理解するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を有しないとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2006-25186
【審決日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【事案】
本願商標は、「ひつまぶし」の平仮名文字を横書きしてなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成17年12月27日に登録出願されたものである。

【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、『蒲焼きを細かく刻んで米飯に混ぜた料理』を認識させる『ひつまぶし』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるから、これをその指定役務に使用しても、単に役務の質(内容)、提供の用に供する物を表示するにすぎないと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

審決における判断

1 本願商標は、前記第1のとおり「ひつまぶし」の文字よりなるものであるところ、「ひつまぶし」の文字(語)についてみると、鰻を細かく刻んでご飯にまぶした料理として知られ、また、鰻を取り扱う店舗において、料理名の一つとして広く使用されている事実が認められる。
 そして、上記した実情は、以下の各種新聞記事の記載、及びインターネットの情報からも裏付けられる。

(1)1998.06.25 毎日新聞地方版/静岡には、「[面白ばなし]うなぎの櫃まぶし/愛知」の見出しのもと「・・・「名古屋の名物が食べたい」と言われ「うなぎの櫃(ひつ)まぶし」をごちそうした。・・・この料理が生まれたのは、うなぎが人工養殖されていなかった時代とか。型が崩れて捨てるかば焼きが多く、ある時「もったいない」と、型崩れのうなぎをちぎってご飯にまぶしたところ、客に大受けしたそうだ。」との記載。
(2)1999.02.20 朝日新聞名古屋夕刊 9頁には、「愛知県一色町生田・千間(アベニュー・アベニュー)【名古屋】」の見出しのもと「ウナギといえば、うなどん、ひつまぶし、かば焼きを使った料理が思い浮かぶが、実は様々な食べ方ができる素材だ。」との記載。
(略)

2 請求人(出願人)は、「ひつまぶし」商標の権利者であり、明治6年創業以来、鰻料理店舗を持ち、名古屋を始め東海地区を中心とする一般社会の鰻料理の需要者に広く「鰻料理の提供」及び「持ち帰り用鰻料理」の役務を提供し使用した結果、自他役務識別性を有する旨、また、少なくともサービスマーク制度が法律化された時点で、自己の業務に係る指定役務「飲食物の提供」を表示するものとして、需要者の間に広く認識される程度の信用を形成しており、周知商標としても登録を受けることができる旨主張し、甲第1号証ないし甲第17号証(枝番を含む。以下、同じ。)及び検甲第1号証を提出している。
 そこで、請求人(出願人)提出の甲各号証についてみるに、請求人(出願人)は、「ひつまぶし」商標(登録第1996631号)を昭和60年6月14日に登録出願し、「第32類:食肉,卵,食用水産物,野菜,果実,加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として同62年11月20日に設定登録されている商標の権利者(甲第1号証)であり、「御食事」として「鰻丼」、「ひつまぶし」、「長焼定食」、「天麩羅定食」及び「かしわ定食」の記載がある請求人(出願人)の昭和30年当時と推認できるお品書き(甲第13号証の4:検甲第1号証)、及び「名物 ひつまぶし」の記載のある店舗カタログ及びハローページ(甲第3号証及び第4号証)、甲第14号証ないし甲第17号証により、請求人(出願人)は、少なくとも昭和30年頃より現在において、食事として「ひつまぶし」を提供していると認められる。
 しかしながら、「ひつまぶし」は、お品書きにあるように、「鰻丼」、「長焼定食」等の料理名と同じ欄に書いてあることより、料理名として認識されるとみるのが相当であり、飲食物の提供について使用する商標として広く認識されているとはいい難い
 また、出願に係る商標が自他役務の識別力を有するか否かの判断時期は、査定又は審決時と解されるものであることからすれば、「ひつまぶし」の文字(語)は、現在において、鰻料理を提供している各店舗における料理名の一つとして一般に使用されていること前記1のとおりであり、本願商標は、その指定役務との関係において、鰻を細かく刻んでご飯にまぶした料理の提供であると理解するにとどまり、自他役務の識別標識としての機能を有しないものであるといえるから、請求人(出願人)の使用の事実、あるいは商品における登録商標があるとしても、その主張は採用することができない。
 よって、結論のとおり審決する。

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「揚子江」の文字は、商品が「長江の下流域にある化学工場において生産された肥料」と理解・認識させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服平成11-3745
【審決日】
【事案】
本願商標は、「揚子江」の文字を横書きしてなり、第1類「肥料」を指定商品として、平成9年9月25日登録出願されたものである。

【拒絶理由】
原査定は、『本願商標は、「揚子江」の文字を普通に用いられる方法で書してなるにすぎないところ、該文字は、「ヤンツーチアン」とも称呼され、武漢等の、長江の流域の局地的な地域名(地理学上では、長江の下流の局地的な名称)であり、武漢(ウーハン)等においては、本願指定商品の工業的生産、取引も行われていること明らかであるから、このような長江下流域の地域名(ヤンツーチアン)を、本願指定商品に使用しても、単に、その商品の生産地または生産地域名、または販売地を表示するものとして直観し認識するに止まり、なんら自他商品を区別する標識としての機能を果たすことができないものと認めるを相当とする。したがって、本願商標は、商標法第3条第1号第3項に該当する。』旨認定して、本願を拒絶したものである。

審決における判断

よって判断するに、本願商標は、「揚子江」の文字を横書きしてなるところ、原審において認定したとおり、「揚子江」は、「長江の別称であって、中国最大の河川でチベット高原に源を発し、青海、雲南、湖北、湖南、江西、江蘇、などの各省を経て東シナ海に注ぐ。本流域の主要都市は、重慶、宜昌、武漢、九江、鎮江、揚州、南京、上海など。」であり(三省堂編修所編者「コンサイス外国地名事典」株式会社三省堂、1985年12月10日改訂版第1刷発行)、また、その都市の中で特に、「九江」は、「江西省北部の都市。揚子江中流右岸に位置。綿紡績・燐酸肥料工場がある。」(同「コンサイス外国地名事典」)と認められるものである。
してみれば、「揚子江」の文字を普通に用いられる方法で書してなる本願商標を、その指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、該商品が「長江の下流域にある化学工場において生産された肥料」と理解・認識させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとは認められないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は商標法第3条第1号第3項に該当し、登録することはできない。
なお、請求人は、本願商標が商標法第3条第1号第3項に該当するとしても、使用により識別力を有するにいたったと十分認められるので、商標法第3条第2項に該当すると主張し、その事実を立証するために甲第1号証乃至同第3号証を提出している。
しかしながら、本願商標については前記の判断されること叙上のとおりであり、請求人の提出に係る書証をもってしても、本願商標が商標法第3条第2項に該当する要件を具備するに至ったものとは認めがたいから、同人の主張は採用することはできない。
よって、結論のとおり審決する。

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