英文署名の難しさ-2008年08月31日
弁理士という職業は、自分が担当している業務内容にもよりますが、国際的な業務を担当した場合には、英文で署名をする機会がやってきます。 筆者の場合には、商標の国際登録という手続をするときに、出願書類に署名をすることになります。 商標の国際登録は、条約に加盟している複数の国の中から、商標登録したい国を指定して、日本の特許庁経由で国際事務局に英文での書類を提出し、登録をする制度です。登録ができれば、指定した各国での商標登録がされたという効果が生じます。 筆者の場合には、クレジットカード等の署名では慣れた漢字で行います。 しかし、ジュネーブにある国際事務局宛の英文書類ということで、たぶん漢字のサインでも...
「オバマバーガー」「オバマハンバーグ」-2008年08月26日
「あのオバマさんもはじめた」、「あのコイズミさんが・・・」といって、さる方々のことを連想すると、ごく普通の小浜さんや小泉さんが登場するCMを見て笑った人も多いでしょう。 名前を聞いて、連想し、笑ってしまい、記憶にとどまる。 ネーミングは、何も面白おかしくしたり、短期的な話題やブームにのったりすることばかりがいいとは限りませんが、一つの手法としてあります。 このようなネーミング手法を使った展開をしている商品がきっと世の中にはあるだろう、と筆者が思いつく頃には、既に色々出ています。 たとえば、「オバマバーガー」、「オバマハンバーグ」。 さすがに、きちんと商標登録出願をしています。 1. 商願200...
星野ジャパンの商標登録は問題あることなのか?-2008年08月22日
少し前の話題になるが「星野ジャパン」の商標登録出願がされているという記事を見ました。 真相は、星野ジャパンの星野監督の名義で、知人が出願をしたが、本人が知らなかったことや批判的な記事等があったことで、出願を取り下げたということでした。 この記事をとりあげた週刊誌やブログでの話題といえば、星野監督個人で商標登録してしまうのはけしからん、言葉を独占して利益でも得るつもりなのか?といったものでした。 しかし個人名義で商標登録することは普通のことですし、商標登録制度というものを考えればごく当たり前の行為であり、本人の知らないところで出願されるということは問題であったものの、余計な誤解しか生まない記事や...
「なでしこじゃぱん」は登録商標です-2008年08月19日
「なでしこじゃぱん」は登録商標です。 ・・・なんて書くと、それではこの言葉は使えないのか、と心配する方もでききますが、「阪神優勝」のときと同様にそれは杞憂です。今回は正当な権利者が登録していると考えられますし、あくまでも「商標」とはある特定の商標登録した業務(商品名、サービス名称、ブランド名など)について使用する場合にのみ独占できるものだからです。一般人が会話で使ったり、報道で「なでしこじゃぱん」について言及したりすることになんら問題はありません。 たとえば、「スポーツの興行の企画・運営又は開催」について登録していれば、この業務については商標権者がその名称の使用を独占します。スポーツウェアにつ...
音響商標におい商標-2008年08月19日
音・においを商標に、特許庁検討 2010年の法改正目指す(日本経済新聞) 特許庁が、音やにおい、動きなど新しいタイプの商標を導入する検討に入るという報道がありました。音響商標、におい商標などといわれるもので、これらを制度として導入している国もあります。 商標とは、ネーミングやマークなどの、商品名やサービス名称など業務について使用することに関し独占をするものです。 そうすると、音響やにおいが、業務について、それを表示するものとして使用される場合とはどういうことが考えられるでしょうか。 特許庁、音やにおいを商標登録できるように法改正へという記事もありました。 ある特定の業務について、文字(ネーミン...
「スナックパイン」実は登録商標-2008年08月18日
「スナックパイン」実は登録商標 8月12日16時5分配信 琉球新報 沖縄でパイナップルの収穫が進んでいるが、その一種として、手で簡単にちぎれ、糖度が高くておいしいことから人気の「スナックパイン」は、実は登録商標だということで、確認すると登録されていました。 商標権は、商標の使用を独占できる権利であるため、行政や一部業者は数年前から使用を控えているが、商標権者側は「品種の人気が広がるなら使用を許可している」ということです。 実はこのように使用を広く許可する例は珍しくはなく、商標を広く認知させることによって、商品の普及を促し、取引の拡大に役に立つことはままあります。 ただし、その名称が普通名称では...