土佐打刃物(高知県)
土佐打刃物は、自由鍛造による切れ味と実用性から、さまざまな用途に重宝されてきた高知県の伝統的な刃物です。
土佐打刃物は、包丁、鎌、鉈、斧、鍬などの、農業や林業に用いられる実用性と耐久性の高い道具のほか、今日では料理、アウトドアまで幅広い用途に使われる刃物製品が製造され提供されています。
1998年には、経済産業大臣指定の伝統的工芸品にも認定されました。
土佐打刃物の特徴は?
土佐打刃物の最大の特徴は、なんといっても自由鍛造により製造されることです。
自由鍛造と呼ばれる製法は、高温で熱した鉄を刃物職人が自在に叩いていくことで、用途に合わせて形を作り上げる製造法です。
それでいながら、型を使って作る方法以上の精度と切れ味を持つ刃物を製造できるばかりか、注文書の寸法をもとに自由にオーダーメイドすることができます。
土佐打刃物は、刃の背を厚く、刃先を薄く仕上げる「金配り」をすることで、軽くて長時間使っても持ちやすく、山仕事、畑仕事などの作業でも疲れにくい、しかも長持ちする刃物です。
製造工程は製品により異なるものの、鉄を溶融し、鍛造、整形を行い、粗削り、泥塗り、焼き入れ、焼き戻しなどの工程を経て、柄を付けるなどの仕上げを行い最終製品を完成させます。
土佐打刃物は自由鍛造のため、多品種少量生産や、オーサーメイド製品の製造が可能です。
土佐打刃物の歴史
土佐打刃物には、鎌倉時代後期の1300年代から続く、長い伝統があります。
刀鍛冶・五郎左衛門吉光派が土佐で活躍し、その技術が農林用刃物の鍛冶に受け継がれました。
1590年の地検で調査された鍛冶屋の数は、「長宗我部地検帳」には399軒との記録があり、土佐では当時から刀鍛冶が盛んに行われていたことがわかっています。
江戸時代には、現在の土佐打刃物の製造法が確立され、農業用器具や林業の作業用具などのさまざまな刃物が作られるようになりました。
土佐藩の林業・農業政策により、技術が磨かれ、現在の土佐打刃物の基礎が確立しました。
土佐打刃物は、切れ味がよく、耐久性がある一方で、価格は比較的安価です。
古くから業務用の道具として発展してきた土佐打刃物は、現在でも農業や林業においては、変わらぬ性能で人気です。
さらに、料理用刃物も和食の料理人に人気なほか、アウトドア用の商品なども開発され、注文が後を絶ちません。
土佐打刃物の主要産地は、高知県の香美市、南国市、須崎市、土佐市、いの町などで、後継者不足に悩みながらも、技術継承と後継者育成が進められ、製品のPRやブランド化にも取り組んでいます。
地域団体商標「土佐打刃物」
登録第5021596号
登録日:平成19(2007)年 1月 26日
商標:土佐打刃物

権利者:高知県土佐刃物連合協同組合
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】
第8類 高知県産の包丁,高知県産の鋸,高知県産の鍬,高知県産の鎌,高知県産の鉈,高知県産の鳶,高知県産のおの,高知県産の柄鎌
土佐打刃物の商品ジャンルは?

高知県土佐刃物連合協同組合 http://tosahamono.com/
農作業用の土佐打刃物は、農業が盛んな高知県では、現在も鎌、鍬などの伝統的な農器具のほか、草刈鎌・稲刈鎌・刈込鎌などに利用される鎌、野菜の収穫に用いる包丁鍬、畑の雑草切りに用いる刃などが製造されています。
林業や山仕事、アウトドア用の土佐打刃物は、林業が盛んな高知県では、現在でも鉈、斧などのほか、薪割り用、アウトドア用の小型斧や鉈、アウトドアナイフ、樹木の剪定鋏などが製造されています。
料理用の土佐打刃物では、料理人にも愛用される三徳包丁、菜切包丁、出刃包丁、刺身包丁、牛刀などが作られています。
その他にも、竹細工用刃物などのほか、自由鍛造という利点を生かし、左利き用刃物などのオーダーメイド刃物が製造されています。
高知県土佐刃物連合協同組合の取り組み
高知県土佐刃物連合協同組合は、土佐打刃物という伝統産業を守り、品質を高め、全国へ広める活動を行うとともに、後継者育成、技術伝承に取り組んできました。
土佐打刃物の品質管理・ブランド維持のため、「伝統的工芸品」としての品質基準を策定し、組合員の製品を検査したうえで、一定の品質を満たしたものだけを「土佐打刃物」として認定しています。
技術継承・後継者育成のためには、技術講習会・研修会などを開催しています。
高知県土佐刃物連合協同組合では、将来高知県内にて独立し、鍛冶屋を目指す鍛冶研修生も募集してきました。
「鍛冶屋創生塾」は、伝統的工芸品「土佐打刃物」を次世代へ残すことを目的として、研修期間2年もの研修を実施するものです。
そのプログラムには、鍛造(鉄・鋼づくり/鍛接(沸し付け)/整形)、研ぎ(荒研ぎ/研磨/仕上げ)、熱処理(焼入れ/焼き戻し/泥塗り)、その他工程(歪取り/銘入れ/柄付け/安全教育)などの実技のほか、土佐打刃物の歴史、熱処理技能検定3級及び2級、鍛造用機械の取り扱いについての安全教育、経営(マーケティング・市場調査)及び経理などが含まれる、本格的なものです。
高知県土佐刃物連合協同組合では、高知県などとも連携し、全国の展示会・物産展への出展や、産地フェアやイベントでの実演 も行うほか、ウェブサイトでも写真集の公開などを行っています。

