隠岐牛(島根県)
隠岐牛は、島根県・隠岐諸島で生まれ育った黒毛和牛だけが名乗れる、「幻の和牛」といわれるほどのブランド牛です。
隠岐諸島は、島根半島の北、約50kmに位置する群島で、隠岐島とも呼ばれます。
約180の島に4つの有人島があり、島根県隠岐郡に属し、海洋の環境や生物、漁業などの人の営みも含めた島全体が「隠岐ユネスコ世界ジオパーク」として認定されています。
隠岐牛は、年間約1200頭も生まれる島内の牛から、徹底した管理をしながら飼育され、「隠岐牛」として市場に出回るのはその1割程度という、希少な黒毛和牛です。
ブランドとしての基準も厳しく、隠岐4島で生まれ飼育された黒毛和種のうち、日本食肉格付協会で定められる肉質等級4または5等級の格付された未経産の牝牛だけが、「隠岐牛」となります。
隠岐牛は、潮風が吹き渡る絶海の孤島群という環境の中で、牧草や地元飼料によって一貫した飼育が行われ、安全性と美味、肉質の良さは折り紙つきです。
特に 霜降り肉なのに、脂が溶けるほど繊細で、甘さと旨味が両立し、さっぱりとした味わいが特徴です。
海に囲まれた隠岐は潮風が強く、牧草にもミネラル分が多いため、健康に育った隠岐牛は、安全性の点でも高い評価を受けています。

しまね和牛プレミアムガイドブック(島根県畜産課) https://shimanewagyu.com/wp-content/themes/wagyu/img/shimanewagyu_p_guide_book_2024.pdf
隠岐牛の歴史
隠岐牛の歴史は、1221年の承久の乱で隠岐に幽閉された後鳥羽上皇のために始まった「隠岐の牛突き」に由来し、800年の伝統をもつといわれます。
隠岐では、牛はもともと農耕の力仕事を担う家畜として飼われ、牛と暮らす文化が後の肉用牛生産の基盤になるとともに、闘牛も隠岐の伝統文化として継承されています。
離島の農業は機械化が遅れやすく、牛の役割は長く残ったため、牛飼い文化が根付いたとされています。
隠岐の島々は平地が少なく、急峻な地形は放牧には最適な地形です。
牛は急傾斜地でも自由に歩き回り、運動することで健康に育ちます。
農地が少なく公共の土地が多いことも、放牧がしやすい理由です。
実際に、放牧をすることで牛がたくさん飼え、コストを下げつつ牛肉の質を高められるというメリットがありました。
平地が少なく、稲作や野菜栽培が大規模にできないため、畜産は隠岐の基幹産業になっています。
隠岐では、放牧地の確保、共同管理、地域全体での畜産支援という体制をとってきました。
島根県畜産課などによりしまね和牛の改良・技術開発、地域ぐるみの畜産振興を行政や地元企業が一体となって取り組み、畜産を雇用創出、観光資源として位置づけてきました。
隠岐牛は「しまね和牛」の一角を担うブランドであり、県全体のプロモーション強化の取り組みにより、2000年代に本格的なブランド化を行ってきました。
2004年には海士町に「潮風ファーム」が設立され、2006年には島内2事業者共同により「島生まれ島育ち隠岐牛」が商標登録されました。
地域団体商標「隠岐牛」
登録第5788370号
登録日:平成27(2015)年 8月 28日
商標:隠岐牛

権利者:島根県農業協同組合
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】
第29類 島根県隠岐諸島内で生まれかつ肥育された未経産の雌の黒毛和牛の牛肉
島根県農業協同組合らの取り組み

しまね和牛(島根県畜産課) https://shimanewagyu.com/
島根県農業協同組合(JAしまね)は、島根県畜産課などとともに、官民あげて「しまね和牛」プロモーション強化を行ってきました。
島根県は2023年から、県全体で和牛ブランドを強化する大規模プロジェクトを開始し、「しまね和牛」PRの一環として隠岐牛の県内外向けの大規模PRキャンペーンを行っています。
隠岐地域4町村も共同して「隠岐牛」ブランドづくりを行っています。
4町村合同の広域協議会を設立し、隠岐産牛の価値向上を目的として、出荷頭数・繁殖雌牛数の増加を数値目標として設定 するなどの共同施策を展開してきました。
隠岐の畜産農家は、地形を生かした放牧・IT機器を使ったスマート畜産などのストーリーせーのあるPRをSNSなども活用し行っています。
隠岐牛専門店(海士町)では、オンラインショップを通じた全国販売を強化するとともに、隠岐牛の高級なランチなどの提供も行っています。

