雄勝石(宮城県)
雄勝石は、玄昌石とも呼ばれ、宮城県石巻市の雄勝町で産出される、黒色の堆積岩の層を形成する石材です。
このあたりの地層は古いものが露出しており、地質学的には古生代二畳紀(2~3億年前)にのもので、長い年月を経て固まった黒色硬質粘板岩です。
石巻や大船渡などには古い年代の石材が多く、過去には魚竜などの化石も発見されました。
雄勝石は、圧縮や曲げに強く、吸水率が低いため、永い年月を経ても変質しにくく、さまざまな用途に利用されてきた石材です。
雄勝石の採石の歴史
「雄勝石」は、室町時代の1396年頃にはすでに、硯石として宮城県石巻市雄勝地区で産出されていたと、古文書「建網瀬祭初穂料」の記述などにより伝えられています。
「雄勝硯」は、600年以上の歴史をもつ伝統工芸品です。古文書の中に「雄勝硯浜」という採石地を示す文字が残されています。
江戸時代になると、硯を献上された仙台藩の伊達政宗公が、雄勝硯を賞讃し、当時から雄勝硯は名産として名高いものでした。
明治になり日本の近代化が進むと、雄勝石を原料としたスレート材が盛んに産出され、雄勝石は屋根材などの建築石材として利用されており、東京駅の駅舎にも利用されました。
明治から大正にかけて、薄板上の雄勝石の石盤や、スレート材は、輸出もされるほどの名産品でした。
現在も雄勝石の伝統は引き継がれ、硯では国内産の90%を占める主要産品となっています。
硯のほか、皿などのテーブルウェア、工芸品に雄勝石は利用され、現代風の製品として開発されたクラフト製品、石皿などは国内外からも高い評価を受けています。

雄勝硯生産販売協同組合 https://www.ogatsu-suzuri.jp/
雄勝石製品ができるまで
雄勝石は、露天掘りにより、原石が採掘されます。
選別された良質の原石は、大きさ、厚さ、形により用途に合わせて切断されます。
切断した雄勝石の石材は、円盤状の回転すり盤機を使い、川砂と水を流し込んで表面の凸凹を削り、研磨します。
こうして整えられた雄勝石は、硯、食器、クラフト品などの用途に合わせて加工され、表面を磨いて仕上げられます。
雄勝硯生産販売協同組合では、伝統的な雄勝硯の各製品はもちろん、さまざまな現代風の製品を開発し、販売しています。
雄勝石製品について
硯
雄勝石の代表的な製品は、天然石を活かしたデザインの硯です。
石材を規格サイズに切断し、自然風に加工して、角型硯などに仕上げます。
小学生用の書道セットなどにも採用される名品です。
天然石を使った蓋付きの硯も製造されています。一枚の石材を、蓋と硯本体とに分割して製作する手の込んだ一品です。
テーブルウェア
料理を並べて盛り付ける、角型、丸型の多目的プレートは、雄勝石の人気製品です。
雄勝石皿は、石材を切り出し、その風合いを生かして作られます。
雄勝石は粒子が均質で光沢があり、吸水率も低く、しかも保温性、保冷性に優れていることがわかっています。
クラフト製品
雄勝石の風合いを生かした、コースター、ペーパーナイフなどの工芸品も作られています。
地域団体商標「雄勝石」「雄勝硯」
登録第6976295号
登録日:令和7(2025)年 10月 14日
商標:雄勝石

権利者:雄勝硯生産販売協同組合
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】
第19類 宮城県石巻市雄勝町から産出する黒色の粘板岩,宮城県石巻市雄勝町から産出する黒色の粘板岩を原材料とする石材
登録第5727126号
登録日:平成26(2014)年 12月 19日
商標:雄勝硯

権利者:雄勝硯生産販売協同組合
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】
第16類 宮城県石巻市雄勝町から産出する黒色の粘板岩を使用して作られる硯
雄勝硯生産販売協同組合の取り組み
雄勝硯伝統産業会館は、石巻市雄勝地区の中心部、高台にある「道の駅 硯上の里おがつ」に併設されています。
雄勝硯の伝統文化を伝え、館内には雄勝硯・雄勝石加工品販売ギャラリーがあり、雄勝石製品の展示、販売を行っています。

雄勝硯生産販売協同組合オンラインショップ https://ogatsusuzuri.thebase.in/
雄勝硯生産販売協同組合では、オンラインショップでも、硯や皿、クラフト製品の販売を行っています。
雄勝硯生産販売協同組合では、雄勝石ブランドを保護するため、雄勝石のブランドマークを製作し、製品に彫刻により表示しています。

雄勝硯生産販売協同組合オンラインショップ https://ogatsusuzuri.thebase.in/
組合では、雄勝石の体験・ワークショップも開催してきました。
雄勝石の未利用材を活用して、器や写真立てなどののモノづくりを体験するイベントです。
雄勝硯生産販売協同組合では、東北工業大学と連携した産学連携事業「雄勝いしのわプロジェクト」も実施。
域の雇用を支えてきた「雄勝硯及び雄勝石(天然スレート)産業を核とした復興」、雄勝地域の持続可能な社会づくり、「場づくり(拠点構築)」「モノづくり(商品開発・流通開発)」「人づくり(人材育成・交流)」の再生に向けた実践的な取り組みです。

