「FREEZEDRY+」の文字・記号と、その下段の「フリーズドライプラス」の文字からなる商標は、下段の文字が上段文字の読みを特定していると認められ、よどみなく一連に称呼しうる商標であって、「+」の部分のみに着目して白地赤十字の標章と類似とするいうことはできず、商標法第4条第1項第4項に該当しないとされた事例
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2007-25405
【審決日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【事案】
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第24類及び第25類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成18年2月14日に登録出願されたものである。

【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、白地に赤十字の標章と同一又は類似のものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第4項に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
審決における判断
本願商標は、別掲のとおり、「FREEZEDRY」の欧文字と、それに続けて赤色で「+」の記号を横一連に表し、その欧文字と記号の下に、「フリーズドライプラス」の片仮名文字を、灰色に左方からぼかして彩色した細長い矩形の右側に白抜きで表し、これらを組み合わせてなるものである。
そして、「FREEZEDRY」の欧文字と「+」の記号については、縦画を太く、横画を細く、さらに、やや右方向に傾斜させるなど、統一したデザインでまとまりよく表しているものである。
さらに、下段の「フリーズドライプラス」の片仮名文字は、上段の「FREEZEDRY+」の全体の読みを特定しているものと認められ、これらの文字及び記号より生ずると認められる「フリーズドライプラス」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
また、他に本願商標中の、上段右側の「+」のみを分離して観察しなければならない特段の理由も見いだし得ない。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、構成中の「+」の部分のみに着目し、これを独立した識別標識として認識するというよりも、むしろ、構成全体として特定の意味合いを有さない一体不可分の造語を表したものと認識し、把握するとみるのが自然である。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、構成中の「+」の部分に着目し、これより「赤十字の標章」を連想、想起するということはできない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第4号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものではなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
「CSP」の欧文字と「+」の図形都からなる商標が、赤色の「+」の図形部分のみが独立して看る者の注意をひくとはいえず、白地に赤十字の標章と類似の商標ではなく、商標法第4条第1項第4号に該当しないとされた事例
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2019-15614
【審決日】平成29年11月10日(2017.11.10)
【事案】
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成29年11月10日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における同30年8月8日及び同31年5月9日受付の手続補正書により、最終的に、第41類「インターネットを利用した技術文書及び仕様書の供覧」及び第42類「ファクトリーオートメーション用機器に的確な動作設定を施すことができるようにするための機器用の電子計算機用プログラムの環境設定に関する情報のインターネットを介した提供,電子計算機用テンプレートに関するコンピュータプログラムの設計・作成に関する情報の提供,電子計算機その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明」と補正されたものである。

【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、その構成中に赤色の十字を顕著に表した図形を含むものであるから、赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律第1条で規定する白地に赤十字の標章と類似のものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第4号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
審決における判断
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
本願商標は、別掲のとおり、ややデザイン化した「CSP」の欧文字を青色で横書きし、その横に近接して、「+」の図形をやや小さく赤色で表した構成からなるところ、その構成中の「CSP」の欧文字と「+」の図形は、縦線が太く、横線が細く書されており、ともに縦線が右方向に傾斜して表されていることに加え、縦線の末端がやや広がるようにデザイン化されているものであるから、本願商標は、構成全体として統一したデザインでまとまりよく表されているといえるものである。
そして、そのような本願商標の構成において、「+」の図形部分が「CSP」の欧文字部分に比して、小さく付加的に配されていることからすれば、当該図形部分は「+(プラス)」の記号をデザイン化したものと容易に認識されるというべきである。
そうすると、「CSP」の欧文字部分と「+」の図形部分の色彩が異なるとしても、本願商標の構成においては、「+」の図形部分のみが独立して看る者の注意をひくとはいい難い。
してみれば、本願商標は、その構成中に「赤十字の標章及び名称等の使用の制限に関する法律第1条の標章」を顕著に有するということはできず、その構成全体として、当該標章と紛らわしいものではないから、当該標章と類似の商標であるということはできない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第4号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
その構成中に、赤色系統の色であるピンク色を使用した十字マークを顕著に有してなる商標が、白地赤十字の標章と類似の商標とされた事例
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2004-17670
【事案】
本願商標は、別掲に表示した構成よりなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、平成15年10月1日に登録出願されたものである。

【拒絶理由】
本願商標は、その構成中に、赤色系統の色であるピンク色を使用した十字マークを顕著に有してなるから、白地赤十字の標章と類似の商標と認められ、本願商標は、商標法第4条第1項第4号に該当する旨、認定・判断して、本願を拒絶したものである。
審決における判断
本願商標は、別掲に示すとおり、ピンクに着色された十字図形と「Pink Cross Pink Cross Pink Cross」の淡い灰色に着色された文字を前記十字図形の回りに円形を描くように配してなるところ、前記文字の着色の薄さに加え、中央に顕著に表されたピンクの十字図形と前記文字は、視覚的に分離して看取されるものである。
ところで、商標法第4条第1項第4号の立法趣旨は、赤十字の標章及び名称の使用の制限に関する法律(昭和22年法律159号)で使用を禁止しているものに商標権を設定することは妥当でないと同時に赤十字社の権威を傷つけるおそれがあるからであって、赤十字と同一又は類似のものは登録できないものとしている。
そして、日本赤十字社のホームページには、「赤十字マークの意味と約束事」(http://www.jrc.or.jp/about/mark/mark.html)の中に、『赤十字マークは、赤十字活動を表す「しるし」です』の見だしのもと、『「赤十字マーク」は、世界中で様々な苦痛に苦しむ人々を救う活動を行なっている赤十字のシンボルマークです。』との記載、『「類似した」赤十字マークについて』(http://www.jrc.or.jp/about/mark/ruiji.html)の見だしのもと、『「類似した」赤十字マークを使用することは、「本物」の赤十字マークとの間に混乱が生じるため、「赤十字マーク」と同じくその使用が制限されています。』とし、その類似した例として「赤色系統の色を使用した十字マーク」及び「背景が白でなくても、赤色系統を使用した十字は類似となります。また、十字が傾いていたり、長さやバランスを変えて図案化されていても類似となります。」との記載が認められます。
前記より、赤十字マークは、赤十字活動(災害救護、国際活動、医療事業)等、最近の災害救護活動等を始め、世界中で様々な苦痛に苦しむ人々を救う活動を象徴するマークとして機能しているところであり、これらの活動に使用されている赤十字マークと同一又は類似のものは、赤十字活動であるかのように混乱を生じさせ、紛らわしいものとして、使用を制限されているものである。そして、赤十字マークと類似するものの一つとして、赤色系統の色を使用した十字マークとされ、日本赤十字社のホームページにはピンクの十字が例として表示されている。
そうとすれば、本願商標は、十字図形の回りに円形を描くように配してなる文字が薄い灰色に着色されていること前記のとおりであり、その構成から文字の印象が弱いものとするのが相当であり、中央に顕著に表されたピンクの十字図形は、赤系統の色の十字と認められ、赤十字社のシンボルマークである赤十字に類似するものとみるのが相当である。
なお、請求人(出願人)は、白地赤十字の十字とは異なる色に彩色されたもの、また赤い十字であっても変形されてたり他の要素が附加されている商標の登録例を示し、さらに本願商標と同一の構成の商標が登録になっている事実を示し、本願商標は、白地赤十字の標章とは類似しない旨述べている。
しかしながら、審査の例においては、確かに本願商標と同一の商標の登録例が見受けられるものの、本願商標と同一の商標を含む登録出願について、本願と同様に商標法第4条第1項第4号に該当するとして拒絶査定をしたもの(商願2004-11955,商願2004-53960)等の例もあることより、登録例があるとしても、本願商標は、前記のとおり白地赤十字の標章と類似の商標とみるのが相当であるから、該登録例は、本願商標の認定、判断に影響を与えるものではない。
さらに、請求人(出願人)は、同一の商標の登録例があるにもかかわらず、本願商標だけが拒絶される理由は、なんらかの事情の変化があり、それについて詳細に明記する義務があり、また反論する機会を与えるべきである旨述べている。
しかしながら、本願商標については、拒絶理由通知書において、その理由及び適用条文も明記しており、請求人(出願人)は、その反論を意見書及び審判請求書において、本願商標と白地赤十字の標章とは類似しない旨述べていることが認められ、反論の機会を与えないことにはならないものであって、同様の手続きをした前記拒絶査定となった出願と同様であって、本願が手続き上の瑕疵があるとはいえない。
したがって、本願商標は、白地赤十字の標章と類似の商標と認められ、商標法第4条第1項第4号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。

